ファッションプロ&おしゃれ好きの「チームBAILA」が大切にしている一生モノジュエリーを大公開! 出合いのきっかけ、お気に入りのポイント、愛用の理由には、それぞれの個性と審美眼が光っている。今回は、BAILA本誌編集長・中川の、アイコニックな名品ジュエリーたちのストーリー。
タイムレスなアイコンジュエリーは、欲しいと思った時が買い時!
シャネル「ココ クラッシュ」、カルティエ「トリニティ」、ブシュロン「キャトル」

「名品ジュエリーは、本当にタイムレスでシーンも選ばないと実感しています。ブシュロンの『キャトル』、カルティエの『トリニティ』、シャネルの『ココ クラッシュ』は、誰もが認めるアイコニックなコレクション。どれもこの1〜2年で購入したものですが、一緒に年齢を重ねておばあちゃんになっても、きっとずっとつけられる。育てていくことが楽しみな逸品です。
実は個人的に、30代はジュエリーから離れていた時期でした。子育てに追われて、自分のための一生モノに目がいく余裕がない時期だったように思います。多忙な毎日のなかで、失くしてしまったジュエリーもいくつかあります。けれど、アイコンジュエリーはいくつになっても待っていてくれるし、自分が欲しいと思った『今』が買い時。40代、50代と歳を重ねても身につけるときめきは無くなりませんから、衝動買いしてもきっと大丈夫(笑)。それが時を超えて愛されるアイコンの、色褪せないデザインの力だと思います」。
2024年のマイルストーン、ブシュロンの「キャトル」と、カルティエの「トリニティ」リングを主役に

「2024年、100周年を迎えて鮮烈なスクエアフォルムが登場したカルティエの『トリニティ』。クッションリングはカバーの撮影で一目惚れして購入して以来、デイリーに欠かせない存在になっています。3つのカラーのゴールドが重なるデザインは100年経っても色あせないパーフェクトなバランス。それをさらに革新的なシェイプでアップデートしている。私はクラシックモデルを中指につけていますが、選ぶボリュームや指の位置で、それぞれの個性が現れるのがいいですね。つける人によって印象が変わるので、誰かとかぶったとしても気にならない。
そして、昨年、パリのヴァンドーム広場のブシュロン本店を訪れて購入した『キャトル』リング。様々な色の組み合わせがある中で、ダイヤモンドをあしらったブラウンの『キャトル クラシック』を選びました。カルティエのトリニティと別の手につけていますが、スリーゴールドともバランスがよく、モダンな印象になります。お店の方とも相談して、こちらは薬指のサイズに。成人した子どもと久々に訪れたパリの旅行の記念として、一生の思い出も一緒に残してゆけます」。
"ごほうび"シャネルの「ココ クラッシュ」と、"復活"したティファニーのダイヤモンド

「シャネルのエレガンスをぎゅっと閉じ込めた『ココ クラッシュ』のブレスレット。作家・三浦しをんさんのBAILA巻頭でのエッセイ連載を長年担当しているのですが、2024年春にその連載をまとめた2冊目の単行本『しんがりで寝ています』が刊行されました。それを記念しての、自分へのごほうびです。
リングをはじめバリエーションが豊富な『ココ クラッシュ』ですが、ショップに行く前からより細身になったブレスレットの新作を買おうと決めていました。サイズはXSから揃い、ゴールドのカラーも3色。ダイヤモンドのありなしでも印象が変わるので、お店でいろいろ試着しました。そんな自分に似合うものを探し当てるショッピングの時間も醍醐味です。選んだベージュゴールドはシャネルのジュエリーらしい上品なニュアンスカラー。メゾンを象徴するキルティングモチーフにダイヤモンドのさりげない輝きも、身につけていて気分が高まります」。
「ティファニー ルシダ」ネックレス

「一粒ダイヤモンドのネックレスは『ティファニー ルシダ』コレクション。紹介したジュエリーは最近のものがほとんどですが、これは20代後半に購入しました。エンゲージリングと同じデザインです。ここ数年はゴールドが気分であまりつけていなかったのですが、ほどよくシャープなオクタゴンシェイプは実はどんな服にも合うし、「こんなにいい一粒ダイヤを持っていたではないか!」と改めてダイヤモンド&プラチナのクラシックな魅力に気づいて復活(笑)。冬はタートルに、これからの季節はシャツの胸元などに合わせて楽しみたいと思っています。
振り返ってみると、ジュエラーの伝統とセンスが凝縮されたマスターピースは、たとえ少し離れる時期があっても、また新しい気持ちで付き合っていくこともできる。流行りすたりとは関係なく、一緒に歩んでいけるものですね」。
アイコニックジュエリーに寄り添う、humの華奢リングたち

「『トリニティ』も『キャトル』も、存在感のあるジュエリー。ひとつつけるだけでも素敵だけれど、レイヤードしてこそ自分らしさが出ると思います。どんなふうにコーディネートしてもミスマッチにならない懐の深さも、アイコンならでは。
私が普段づかいで長く愛用しているのは、日本のジュエリーブランド、humの繊細なゴールドリングのコレクションです。ヴィンテージライクなゴールドの色味が合わせやすく、洗練されたムードになります。色石のリングと、ミル加工の細身のリングはもともと重ねづけしやすくデザインされたもの。間に挟んでいるねじりデザインは、リングを自分で制作するワークショップに参加して、自分で形つくった世界でひとつのリングです」。

BAILA編集長
中川友紀
BAILAで働く30代の服を見続け今年で14年。好きなのは、野球を観ること、本を読むこと、泳ぐこと。陸での運動は苦手だけれど、毎月近所のプールで5キロ以上泳ぐのがマイ・ノルマ。
おわりに
年齢も立場もさまざまな「チームBAILA」。それぞれのジュエリーとのストーリーは、それぞれの個性を豊かに映し出す。
大切なジュエリーは一生のパートナー。自分らしさが輝きの中に刻み込まれてゆくもの。あなたにも素敵な出合いがありますように!
撮影/宮下昌生〈hannah〉 取材・文/久保田梓美