30代・40代の生理のお悩みや疑問に、人気産婦人科専門医がお答え!今回は、「生理前の食欲」について聞きました。
生理前に食欲が止まらないのはなぜ!?食べ過ぎ防止のためにどうしたらいい?
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30代・40代女性の、お腹が空くという「リアルな生理悩み&疑問」!
・「生理直前になると、普段はさほど食べないスナック菓子を大量買い。バリバリとすごい勢いで食べ尽くしてます。生理が始まった途端、食べる気が失せて軽い断食状態に……。これ、どういうメカニズム!?」
・「タルトにチョコ、アイスクリーム……生理前のPMSが酷い時期になると、自分を甘やかすように甘いものを食べます。毎月この時期は食事を楽しめていないと感じるので、彼と会うのも億劫に。自分への自己嫌悪でイライラが止まりません!」
医師がお答え!
医学博士。産婦人科専門医。婦人科診察を通し、女性の健康を幅広くサポート。働く女性のための産業医として企業を支える傍ら、内閣府男女共同参画局、人事局等で教育講演を担当。また、婦人科スポーツドクターとして日本スポーツ協会ではスポーツドクターの養成に携わる一方、骨盤底筋トレーニングヨガ、アスリートヨガをはじめ、ヨガ指導者を育成するセッションも積極的に行っている。
生理前は普段よりも早くお腹が空いてしまう
「生理前に食欲が増す理由のひとつに、この時期は普段よりも血糖値が下がりやすくなるから、ということが挙げられます。
生理前はプロゲステロンというホルモンが出ていて、インスリンの効きが悪くなります。いつも通りに食事をして普通にインスリンが出ても、血糖値が下がりにくくなってしまう。その結果、インスリンの分泌量が増えてしまい、血糖値がガクッと急激に下がってしまうんです。
食事と食事の間、お腹が空くまでにかかる時間は一般的に5〜6時間くらいと言われています。ですが、生理前は血糖値が下がりやすくなるせいで、だいたい3時間ほどでお腹が空いてしまう。そこで自分が好むものを自由に食べてしまうと、今度はまた急激に血糖値が上がり、またインスリンが出て……と同じことを繰り返します。このように、生理前は血糖値のアップダウンが激しくなり、食欲旺盛になってしまうんです」
補食でタンパク質を摂って
「朝7時、昼12時、晩御飯19時……1日3回の食事を摂ると、食事の間が5〜6時間空くわけですよね。ですが、生理前の時期は約3時間でお腹が空いてしまうと言われているので、そのタイミングで血糖値が上がりにくいような間食を摂るのがベストです。アスリートの世界では補食と呼ばれていて重要視されているもの。タンパク質であれば、急激な血糖値のアップダウンを起こしにくいのでオススメです。生理前は積極的に補食を摂ることが賢い方法ですよ。
生理前の補食、私だったらショートケーキより、ゆで卵にするかな。いつもおやつに甘いものを食べていた人は、タンパク質に変えた時の血糖値が下がりにくい感覚を確かめてみてほしいですね」
生理前の食べ過ぎは異常にあらず。対処法を知って、毎月のルーティンに!
取材・文/櫻木えみ