30代&40代の妊娠悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は妊娠したかも……?ないわゆる“妊娠超初期”の「レントゲン検査」について。この時期にレントゲンを受けても大丈夫?赤ちゃんに悪影響は?
Q:妊活中に病院でレントゲン検査を受けても大丈夫ですか?
30代&40代女性の「リアルな妊娠悩み&疑問」!
・「不妊治療中の30代後半。もうすぐ40代なので人間ドックを受けなきゃと思っています。レントゲンやCT、マンモグラフィー……妊活中に受けても大丈夫?と不安になる検査も。毎月『今月こそ赤ちゃん来て!』という気持ちでいるので、なかなか治療をストップする気持ちになれず。妊活中は検診を申し込むことすら難しくて困っています……」
・「妊活中の40歳。乳がん検査を受けたいけれども、ベビ待ちで、妊娠超初期かもしれないと思うと、なかなか検査の予約ができなくて……。どのタイミングがいいですか?」
医師が回答!
通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を総合的に駆使した診療を行うコーチング医。認知行動療法をベースに、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを日常診療に取り入れ、健康管理だけではなく、育児の悩みや親子関係・夫婦関係の改善など、幅広い分野で同テクニックを活用する。
※“妊娠超初期”という表現について……排卵日から月経予定日の期間を、“妊娠超初期”や、“妊娠2週〜3週”と呼ぶ人もいますが、これは医学用語ではありません。この時期はまだ妊娠が成立していないため、妊娠とは呼べない段階です。記事でも読者からの悩み等に登場しますが、便宜上“妊娠超初期”、“妊娠2〜3週”を「排卵日から月経予定日」と捉えた上で解説しています。
【ANSWER】いわゆる“妊娠超初期”も、検診でのレントゲンは基本NG
「医学的には“10daysルール”というものがあり、『妊娠の可能性がある女性の場合、排卵後から月経予定日までの期間にはレントゲンは使わない』と定められています。たとえば、月経予定日の3日前の患者さんががん検診を受けに来たとして、『今妊娠の可能性はありますか?』との質問に『あるかもしれません』という答えが返ってきたら、レントゲンでの検査はしません」
「いわゆる“妊娠超初期”、排卵後から月経予定日の期間は妊娠しているかどうかは分からないけれど、可能性はゼロではないタイミング。『実は妊娠をしていました』と後から言われてもレントゲンを撮った病院側は責任をとれないので、妊娠の可能性がある場合はお断りします」
「もちろん例外はあります。たとえば交通事故に遭い、どうしてもレントゲンの検査が必要という場合は、もちろん必要性に応じてですが、妊娠の可能性があっても行う場合があります。
ですが、がん検診や健康診断など緊急性のない検査の場合は、妊娠の可能性が少しでもある女性に対しては行わないのです」
【ADVICE】ベストなタイミングは月経の終わりかけ
「妊活中の方がレントゲン検査をしたい場合は、月経中から排卵までの期間がオススメです。月経終わりぐらいの時期に、健康診断の予約を入れるなり、検査を受ければいいだけですので、別に受けられないわけではないんですよ」
「尿検査で血液が混ざってしまうのが気になる場合は、月経開始日から8~9日目にあたる日に検査を受けるか、その周期は性行為を控えて排卵日以降も検査が可能な状態にしましょう」
「今月検査に行くと決めたらその周期はタイミングを取らず、避妊する。『今は絶対妊娠していないですよ』という時期を作ればいいのです。
たとえば30代・40代でしたら、妊娠前に乳がん検診は受けておいたほうがいいですね。マンモグラフィーを受けるのにいちばん適している時期は胸が張ってない、月経の終わりがけの時期。このタイミングは絶対に妊娠していない時期でもあります。前回の月経予定日や排卵日から計算して、『この時期は月経の終わり頃になるはずだから、予約しよう』と予定を決めるようにしましょう」
妊活中も、安心してレントゲンを受けられるタイミングが。検査はきちんと受けたいものですね!
取材・文/櫻木えみ