不妊治療で男性が受けるべき検査は？ 通院不要な検査はある？【医師が回答！ 30代・40代の不妊治療悩み＆疑問】

30代・40代の不妊治療のお悩みや疑問に医師が回答！ 今回は不妊治療を始めるにあたって男性が受けるべき検査について聞きました。

・「不妊治療を始めることに。女性側の検査の種類は把握しましたが、男性も検査を受けたほうがいいのでしょうか？　最低限これだけは！という検査があれば知りたいです」

・「不妊治療クリニックに通い始めましたが、夫は否定的な考え。精液採取は絶対にしないと言い張っています。夫に内緒で精液をクリニックに提出する方法があればいいのに……」

「いつか子どもが欲しいけれども治療まではまだ考えていないという夫婦・カップルでも、不妊治療のクリニックで検査を受けておくに越したことはありません。

女性と同様に、男性も性感染症の検査はぜひ受けましょう。

・クラミジア
・淋菌
・梅毒

この3つは必ず受けておきたい検査。夫の性感染症が夫婦の不妊の原因となっていることも。同じタイミングで検査、治療を受けることが大切です。

男性が原因の不妊は全体の4割を超えています。

・妻､パートナーと性交渉ができない
・精子の運動性が低い
・精子の数が少ない

というのが主な原因。女性は卵管、卵巣、子宮と3つ検査する場所がありますが、男性の場合は基本的に精液のみの検査ですから、女性に比べるとそれほど検査に時間はかかりません。

精索静脈瘤が原因で精子の状態が悪い場合は、手術を行う場合もあります。また精液中の精子の数がゼロの無精子症の場合、精巣から精子を取り出す手術を行うケースもあります。精子の数が少なめという程度でしたら、亜鉛を摂取したり、寝不足を解消したりするといった生活改善をオススメしています」

「質問者さんのように、男性がタイミングでの自然妊娠を望んでいるというケース、実は珍しくありません。女性から『自分の通院だけでできる検査をまずやってほしい』といった要望を受けることも。

そういった場合には、女性のみの通院で精子の状態を調べられるフーナーテストをオススメしています。排卵の頃に性交渉を行ってもらい、クリニックの検査で子宮にいる精子の運動率を調べることができます。男性に精液を提出してもらわずにできる検査ですので、男性が検査に消極的な場合でも行うことができます」

男性の検査もできれば早めに始めておくと、治療がスムーズに進みそうですね。

取材・文／櫻木えみ