毎日暑い日が続くシーズンに突入。夜も気温が下がらず、寝苦しい日が続き……安眠できない悩みは切実。そんな30代・40代が抱える「熱帯夜睡眠」の悩みや疑問に、睡眠専門医の井坂奈央先生がお答え! 今回は、熱帯夜での「就寝前のバスタイム」について聞きました。
寝る前の入浴、「湯船につかる」と「シャワーですませる」、どちらが快眠できる?
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30代・40代女性の、夏の入浴に関する「リアルな悩み&疑問」!
・「寝る前のお風呂は、きちんと湯船につかるとリラックスできるので、『入眠がスムーズになるかも?』と期待。最低30分以上、お風呂で眠くなりながらも雑誌を読んだりのんびり過ごしてからベッドへ。お風呂ではウトウトしそうになるのに、ベッドでは覚醒モードですぐに寝つけないのが不思議です……」
・「暑い夏はお風呂につかるのがイヤで、帰宅後すぐシャワーを浴びて、冷房をつけてから寝ています。お風呂はゆっくりつかってから寝るほうが熟睡できそうだけど、暑くて無理!」
睡眠専門医がお答え! 熱帯夜での入浴の正解は?
大学病院や専門医療機関で長く睡眠障害の診療にあたってきた睡眠専門医。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む患者に病態やライフスタイルに合わせた治療を提案している。
寝る90分前なら湯船、直前ならシャワー。タイミングによって使い分けを
「快眠のためには、夏場でも『寝る90分前』に湯船につかるのがベストです。夏場は冷房などで体が冷えていると寝るときに深部体温が下がりにくくなり寝つきにくくなるので、入浴でしっかりと体を温めることが重要。深部体温を上げるためには、38~40度の湯船に20分程度つかるのが理想です。寝る90分前の入浴で深部体温を上げ、徐々に下がってきた段階で眠りにつくと、快適な睡眠がとれます。
寝る直前に入浴する場合は、湯船にはつからずにシャワーですませるとよいでしょう。湯船でじっくり温まってしまうと、寝るときに深部体温が下がり切らず、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が悪くなったりするので注意が必要です。
いい睡眠のためのベストな入浴のタイミングは、『寝る2時間前までに食事をすませる』→『寝る90分前に湯舟につかる(38~40℃の湯船に20分程度つかる)』→『お風呂から90分空けて就寝』の流れ。
湯船にもっと長くつかったり、サウナに入ると深部体温が高くなり、下がるまで時間がかかることに。長風呂やサウナは寝る3時間前にすませるとよいでしょう」
お風呂が寝る直前になってしまった日は、湯船はあきらめてシャワーですませるのが正解!
取材・文/櫻木えみ