働く30代が抱える日々のもやもやを、一見冴えない(!?)アンガールズの田中卓志先輩にぶつける連載【隣の部署の田中先輩】第34回! 今回は、酒癖の悪い友達に困っているという悩みに田中先輩が的確アドバイス!
《今月のお悩み》30歳を超えても酒癖の悪い友達に困っています(32歳・会社員)

特に困るのがウザ絡み(ケンカ腰、自分の話ばかりする、同じ話のループ地獄)。彼女がいるとお酒の席が地獄と化します。普段はとてもいい子なので、お酒をやめてほしいくらいです。注意をしてはいるのですが、本人はイマイチピンときていないようで……。どうしたら、彼女の酒癖を直せますか?
田中先輩の答え…人生も仕事も失う可能性が。お酒は本当に危険です!!

数々の失敗を経験して僕もお酒を控えるように
お酒が入ると人間が変わっちゃうみたいな、本当に酒癖が悪い人ってたまにいるよね。また、タチが悪いのが、そういう人に限って記憶を失いがちなこと。散々、皆に迷惑をかけたのに、それをまったく覚えていないから、周りはウンザリしてしまうんだよね。
芸人にも酒癖が悪い人はいるけど、「僕たちはテレビに出る人間だし、迷惑をかけたら仕事も失いかねないぞ」と周りが厳しく注意すると大抵はお酒を控えるようになります。一歩間違えると信用はもちろん仕事を失うこともある、それは芸能界だけでなく一般社会も同じですよね。また、ケンカに巻き込まれたり、誰かをケガさせてしまったり、お酒はトラブルを招いてしまうことも。さらには、泥酔して駅のホームから落ちたり、赤信号なのに車道に飛び出してしまったり、下手したら命を落とす可能性だってあるわけで。本当に気をつけなくちゃいけないよね。
酒癖の悪い人に対して、できることと言えば「あなたの酔い方はヤバイぞ」「お酒は怖いぞ」と注意することくらい。切々とそれを伝えてもお酒の飲み方をあらためない場合はもうお手上げだよね。芸人の世界では、お酒が原因でもめてコンビが解散すること、実は結構あるんですよ。ちなみに、僕自身も数々の失敗により、お酒を控えるようになった一人です。もともと、お酒は弱くて、あまり飲めなかったんですけど。酔っ払った状態で大喜利をするというテレビ番組の企画で、スタッフさんから「収録までに仕上げておいてください」とお願いされるまま、まじめにビールを飲み続け泥酔。最終的にはロケ場所の居酒屋の隅で寝てしまいフレームアウト。番組後半に田中の姿が消えるという事件を起こしてしまったことも。新人芸人だった頃、さまぁ〜ずさんと飲みに行き、そこでもうっかり泥酔。周りが心配して注文してくれた烏龍茶が届くたびにグラスを倒し、大竹さんがふいてくれて、新たに届いたグラスもまた倒し、また大竹さんがふいてくれて……それを何回も繰り返していたことを相方の山根から聞いたときは本当に心から思いましたからね。「もう、お酒はやめよう」って。
そんな僕が最近、楽しんでいるのがノンアルコールビール。味は本当のビールみたいに美味しいのに、酔っ払うことがないから、ガーッと飲んで喉越しを楽しむことができる、それが最高なんだよね。芸人の飲み方も今はだいぶ変わりました。まず、昔みたいに「お酒を飲め」と強要してくる先輩がいないから。最初の乾杯がノンアルや烏龍茶でも文句を言う人なんかいないし、なんなら、無理に飲み会に参加しなくたっていい。僕自身、広島で千鳥の大悟さんと飲んで「二軒目いくか」のお誘いをいただいたときは「いや、帰ります」とキッパリお断りましたからね(笑)。
僕の相方の山根はお酒が好きなんですけど、酔っ払うとお笑いについて語りはじめるから面倒臭い。ネタについて熱く語り出したり(語るほどネタを書いてない)、テレビの仕事を語り出したり(語るほどテレビに出演していない)。すべてをわかっているような顔をして語るもんだから、アンタッチャブルのザキヤマさんから怒られたこともあったりして。なのに、今も酔うと熱く語り出したりするから。やっぱり、お酒って怖いよね(笑)。

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田中卓志
たなか たくし●1976年生まれ、広島県出身。大学時代の友人、山根良顕とお笑いコンビ「アンガールズ」を結成。「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)など多数のバラエティで活躍中。
撮影/黒沼 諭〈aosora〉 ヘア&メイク/高橋将氣 スタイリスト/高山良昭 イラスト/ますこえり 取材・原文/石井美輪 撮影協力/アワビーズ ※BAILA2025年11月号掲載

























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