キャリア選択の違い、結婚するしない、子どもを持つ持たない……、あらゆる場面で嫉妬したりされたりしがちな30代。幅広い分野の賢者の知恵から「嫉妬」を紐解いてみると、共通していたのは、「嫉妬をなくすのではなく、嫉妬と向き合う」という視点。今回は、テレビプロデューサー 佐久間宣行さんに、嫉妬とうまくつきあう方法を教えていただきました。
嫉妬しない人間はいないから、負の感情は早く認めて向き合うべき
テレビプロデューサー 佐久間宜行さん
僕は、「私は嫉妬なんかしません」っていう人は、多分噓だと思うんですよ。普通に生きていたら、誰だって羨ましいと思うことはある。それが人間だと思うんです。嫉妬はちゃんとあったほうがいい。大事なのは、見ないふりをするんじゃなくて、認めて、向き合って、解像度を上げて、自分の嫉妬の正体を見抜くことだと思います。
若い頃の僕も、嫉妬していました。二十数年前は自分がやりたかったお笑い番組をなかなかつくれなかった。でも、そのときにやったのは、「何に嫉妬しているのか」をちゃんと仕分けることでした。作品なのか、立場なのか、世の中の評価なのか。嫉妬の解像度を上げていくと、「自分が本当にたどり着きたい場所」が見えてくるんですよ。漠然と嫉妬していると、自分が本当にやりたいことまで見えなくなる。でも、「自分はここに羨ましさを感じてるんだな」とわかると、戦い方が見えてくるんです。
僕は、いちばん追いつけそうな相手を決めていました。誰も彼もに嫉妬するんじゃなくて、「あのぐらいまでいくためにはどうしたらいいか」を考えていましたね。逆に、見ないふりをしたり、感情に振り回されたりすると、ろくなことがない。負の感情って、できるだけ早く認めて、「さあどうしよう」と考えられている人が、次にいくことができている気がします。
嫉妬って実は「本当の褒め」だと思うんです。小説家でも芸人でも、「あの人のあそこが自分にないから羨ましい」という話の中には、本当の評価がある。普通に褒めるときって、「褒めている自分」を見せたいときもあるじゃないですか。でも嫉妬って、少し見せたくない感情だからこそ、本音が出る。だから僕は、YouTubeの『NOBROCK TV』でも嫉妬をトークの題材に選びました。嫉妬の話をランキングにして聞くと、その人が本当は何を評価しているのか、人間らしい部分が見えてくるんですよ。

嫉妬とうまくつきあうには?
➡嫉妬の解像度を高めれば解決策が見えるはず
撮影/久々江満 スタイリスト/山本瑶奈 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2026年8・9月号掲載

BAILA編集部
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