キャリア選択の違い、結婚するしない、子どもを持つ持たない……、あらゆる場面で嫉妬したりされたりしがちな30代。幅広い分野の賢者の知恵から「嫉妬」を紐解いてみると、共通していたのは、「嫉妬をなくすのではなく、嫉妬と向き合う」という視点。今回は、脳科学者の毛内 拡先生に、嫉妬とのつきあい方を教えていただきました。
脳は他者と比較することで自分の立ち位置を確認しています
脳科学者 毛内 拡先生(お茶の水女子大学助教)
嫉妬についてまず知ってほしいのは、「脳がやってることなので仕方ない」ということ。僕たちは、自分の立場や能力を、誰かと比較しながら絶えず確認して生きています。それは現代特有のものではなく、原始時代から続いている、とても基本的な脳の働きなんですよね。
実際、人が自分より優位だと感じたときに活動する脳の場所には、「痛み」に関係する領域が含まれていると言われています。殴られて痛いときにも反応する場所が、「羨ましい」「悔しい」と感じるときにも反応する。つまり、嫉妬って、脳としては“痛み”なんです。人間という生き物として自然な反応なんですよ。
その上で、嫉妬は、「自分が何を大切にしているか」を教えてくれる鏡でもあります。仕事の昇進に嫉妬するなら、今は仕事を大事にしているということだし、結婚に羨ましさを感じるなら、安心やつながりを求めているのかもしれない。弱いから嫉妬するんじゃなくて、「大切にしたいものがある」ということ。だから嫉妬を分解して「自分は本当は何が欲しいんだろう」と考えるのが大事。ぼんやり「嫉妬してる」で終わらせず、嫌な感情を言語化すると、その感情が和らぐという研究もあるんです。
一方で、最近僕は「脳疲労」も大きいと思っています。脳が疲れてくると、省エネモードになって、極端でネガティブな考え方になりやすい。そんなときは脳が疲れない心がけを。多すぎる情報通知を減らしたり、ワクワク・ドキドキする新しい体験をしたり、社会や人のために何かすることにより脳は喜びます。
嫉妬は、真剣に自分の人生に向き合っている証拠と言えるのではないでしょうか。どうでもよかったら嫉妬なんて起きてこない。嫉妬を感じたら「私はこんなに真剣に生きているんだ」「大切にしたいものがあるんだ」と、まずは自分を褒めてあげた上で、自分と向き合う時間をつくってもらえればと思います。

嫉妬とうまくつきあうには?
➡嫉妬は「自分が何を大切にしているか」を映す鏡
撮影/久々江満 スタイリスト/山本瑶奈 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2026年8・9月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。























































