キャリア選択の違い、結婚するしない、子どもを持つ持たない……、あらゆる場面で嫉妬したりされたりしがちな30代。幅広い分野の賢者の知恵から「嫉妬」を紐解いてみると、共通していたのは、「嫉妬をなくすのではなく、嫉妬と向き合う」という視点。今回は、スポーツドクターの辻 秀一さんが考える、嫉妬とうまくつきあつ方法をご紹介します。
嫉妬は感情ではなく思考。脳が“嫉妬する思考”を選択している状態
スポーツドクター 辻 秀一さん
人間は認知的な生き物だから、どうしても他者と比較するし、評価するし、「なんで自分じゃないんだ」と思う。その結果として、嫉妬という思考を選択していると私は考えています。ただ問題は、その思考を選択すると心の状態が不機嫌になることなんですよね。もやもやする、腹が立つ、落ち込む。そういう心の状態になると、人間のパフォーマンスは例外なく落ちます。スポーツ選手は、そのことがすごくわかりやすいんです。オリンピック選手は不機嫌な状態では勝負に勝てない。そのため、自分の心を整えることをものすごく大事にしています。一方、ビジネスパーソンは、たとえば不機嫌なまま1カ月働いても、お給料は振り込まれるじゃないですか。「今の自分は本来の力が出ていないな」ということに気づきにくい。でも人間のしくみ自体は同じなんです。
だから、私は、「ご機嫌でいることに価値をつくるトレーニング」が大事だと思っています。機嫌がいいほうが、優しくなれる。アイディアが出る。肌ツヤもよくなる。ごはんも美味しくなる。そういう「ご機嫌の価値」を、何度も自分に教えていくんです。人は価値があるものを選択するので、ご機嫌に価値を感じられるようになると、嫉妬という思考を選びにくくなる。並行して心がけてほしいのが、自分の感情に気づくこと。感情のリストをつくって今の自分の感情をメモしてみてください。客観視することで、ご機嫌でいることを手放している自分、その背景に嫉妬の思考があることに気づけるようになると思います。
もちろん「嫉妬しちゃダメ」と無理に思う必要はありません。人間だから比較はする。でも、その思考以外の選択肢を持てるようにしていくことはできる。私は「応援」「感謝」「リスペクト」という思考をおすすめしています。誰かに良質なエネルギーを与えているときは、自分の心にもご機嫌の風が吹くんですよね。

嫉妬とうまくつきあうには?
➡“ご機嫌な状態”の価値を高めれば、心が整う!
撮影/久々江満 スタイリスト/山本瑶奈 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2026年8・9月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。













































































