正解を教えてほしいわけじゃない。でも、誰かに話を聞いてほしい——。そんな働く大人たちのモヤモヤに、風間俊介さんが独自の視点で向き合う連載。今回のお悩みは、SNSで友人や知人の活躍を見るたびに湧き上がる嫉妬心について。

風間俊介
かざま しゅんすけ●1983年生まれ、東京都出身。俳優として多くのドラマ、舞台、映画等で活躍し、数々の賞を受賞。バラエティ番組や情報番組等でもマルチに活躍。NHKハートネットTV『フクチッチ』では司会として出演中。
Vol.2 人のSNSを見ると嫉妬心がうずいてつらい‼
SNS上ではみんなキラキラしたものや場面をアップしている、と頭ではわかっているものの、どうしても人と比べてしまいます。だからといってSNSを一切見ない、というのはしたくありません。この嫉妬心とどうつきあえばいいでしょうか? (33歳・教育)
ややこしいラブコメ漫画の相関図みたいに“嫉妬の矢印”は入り乱れている

あなたは他人のSNSを見て「羨ましい」と言うけれど、あなたのSNSを見て「羨ましい」と思う人も必ずいる。SNSは「羨ましい」の集合体なんですよね。
僕は僕以外のすべての人を「羨ましい」と思いながら生きています。それこそ、社会的に敬われるような人から「ああはなりたくない」と蔑まれるような人まで、すべて。なぜなら、違う環境の中で、違う人生を歩んできたほかの人は、必ずといっていいほど「僕が持っていないもの」を持っているから。
人間は誰もが「ないものねだり」です。それぞれが素敵なものを持っているはずなのに、残念なことに、時間がたつとそれに飽きてしまう。洋服でも、価値観でも、思考でも、センスでも、ずっと同じものと向き合っていると次第にそれが「つまらないもの」に思えてくるんですよね。だから、目新しいものが、他人の持っているものが、キラキラと魅力的に輝いて見えてしまう……。でも、それはみんな同じです。あなたにとっては「もうキラキラしていないもの」も、誰かにとっては「新鮮でキラキラして見えるもの」であって、「喉から手が出るほど欲しくてたまらないもの」だったりするわけです。古着屋さんやフリマサイトが存在する理由もそこですよね。あなたが「もういらない」と思ったものでも、誰かはそれに価値を見いだして値段をつけるわけですから。
“私”以外の誰かに憧れて「“あの人”みたいになりたい」と願う。でも、いざその願いがかない“あの人”になったら、今度は「“私”になりたい」と願うようになるのかもしれない。それはまるで「世にも奇妙な物語」。でも、そんな奇妙な世界を僕たちは生きています。ややこしいラブコメ漫画の相関図みたいに嫉妬の矢印はあちこちに向いていて、そのいくつかの矢印は自分にも向いている。それこそ、あなたは「他人が羨ましい」と悩んでいるけど、これを読んでいる誰かは「BAILAに悩みを取り上げてもらえるなんて羨ましい」と思っているかもしれないしね。「羨ましい」は天下のまわりもの。だからこそ、嫉妬心は「当たり前のもの」だと受け入れていいと僕は思います。
僕はすべての人が羨ましいだけでなく、すべてのものを欲しいと思いがち。それこそ、百貨店に行った日には、洋服も雑貨も全部欲しいと思う。「こんなのいらない」なんてものはひとつもありませんからね。ただ、「全部欲しい」は「全部いらない」と同じなのだとも思う。たとえるなら、お花屋さんで「キレイだね」と店内にあるたくさんの生花を眺めているのと同じ。すべてが並列なんですよね。「すべての人を羨ましいと思う」のもまた同じで。キラキラしている人も、そうじゃない人も、キラキラで物事を判断しない人も……みんな「羨ましい」になるとすべての人が並列になっていくというか。嫉妬心を当たり前のように受け入れることで「そういうもんでしょ」って、逆に嫉妬に囚われなくなっていくような気もするんです。
他人のSNSが輝いて見えるのは普通のこと。ただ、スマホやPCの中の限られた世界だけでなく、その外側に広がる現実世界の中でも評価される人間になりたいと思っているのならば、どこぞの見知らぬ誰かではなく、自分の周りにいる人たちに褒めてもらえるようになったほうが、人生のチャンスはきっと広がる。スマホと向き合うときは、その事実をちゃんと小わきに抱えておきたいよね。
自分は誰かを羨み、誰かは自分を羨んでいる。「羨ましい」は天下のまわりもの by shunsuke
撮影/延命悠大 ヘア&メイク/清家いずみ スタイリスト/手塚陽介 コラージュアートワーク/花梨〈étrenne〉 イラスト/藤原琴美 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2026年8・9月合併号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。














































































