正解を教えてほしいわけじゃない。でも、誰かに話を聞いてほしい——。そんな働く大人たちのモヤモヤに、風間俊介さんが独自の視点で向き合う新連載がスタート! 記念すべき第一回は、先輩にも後輩にも気をつかいがちな“板挟み世代”のお悩みについて。

風間俊介
かざま しゅんすけ●1983年生まれ、東京都出身。俳優として多くのドラマ、舞台、映画等で活躍し、数々の賞を受賞。バラエティ番組や情報番組等でもマルチに活躍。現在、舞台KONAMI@network vol.22『トランス』に出演中。
Vol.1 先輩にも後輩にも気をつかう、“損”な世代?
バリバリ働いてきた世代の先輩方に気をつかいしっかり働き、強くは指摘できない後輩に対しては極力下手に出て対応。気づいたら面倒な仕事が全部私たち世代にきて、いちばん働いてない……?とモヤモヤ。世代のせいにはしたくないけれど、どうふるまうべきかわかりません。(32歳・メーカー)
一生懸命に仕事と向き合っているからモヤる。まずは、そんなまじめな自分を褒めてあげて。

キャリアを重ねていくと中間層になるのは必然ですよね。時代と世代の狭間に立っているからこそ、上の世代から受けてきたことをそのままトレースして後輩に伝えるわけにはいかず、「どうすべきか」悩んでしまう。その気持ちはとてもよく理解できますが……。まず、僕はこの相談者さんを「悩んでいるあなたはメチャクチャ偉い」と褒め称えたい。
悩むということは、現状を変えようと解決策を探す努力をしているということ。その努力ができるということは本当に素晴らしいことだと思うんです。そもそも、自分本位で動いていたら、悩むことすらしないと思いますしね。
ただ、僕はあなたの悩みの解決策を提示するつもりはありません。
「“人生相談所”という看板を掲げておいて何を言っているんだ」と思うでしょうね。でも、人生はいつだってケース・バイ・ケース。悩みも人それぞれなら、答えも人それぞれ。僕にとっての解決策があなたの解決策になるとは限らないわけで。だからこそ、「こういうときはこうしたほうがいい」というフォーマットをつくってしまうのはとても危険な行為というか。絶対に全員に共通するはずがない“曖昧な正解”を提示するのは誠実ではないと僕は思うのです。
人間は一人ひとり違います。僕から相談者さんに伝えられることがあるとしたら、「相手を『先輩』や『後輩』というひとつの箱に収めようとしないでほしい」ということ。相手をラベリングしてカテゴライズする行為は、人間関係に不和や軋轢を生む大きな原因になります。
たとえば“Z世代”といっても、全員が全員、同じ性格なわけじゃないし。それは“ゆとり世代”も“バブル世代”も同じですよね。「先輩だから、後輩だから、こうしなきゃいけない」ではなく、「その人はどうなのか」と考える。相手にラベルを貼らずに向き合うことで、複雑に見えていた人間関係の答えがどんどんクリアになっていく気がします。
あと、ベクトルを外側ではなく自分の内側に向けるのも大切なことなのかもしれない。「私はこんなにやっているのに」とモヤモヤしてしまうのは、誰かと自分を比べているから。自分がまじめに頑張っているからこそ、周りを見渡してそう感じてしまうんですよね。でも、そこで「なんで、あの人はもっとやってくれないんだ」とイライラを募らせたところで、相手は変わってはくれないから。相手ではなく頑張っている自分にベクトルを向ける。「自分がモヤるのは一生懸命にやっているから。真摯に仕事と向き合うことを大切にしているからこそ、それを蔑ろにしている人を見るとモヤってしまうんだ」と、まじめな自分を褒めてあげる。自分を褒めるのはなかなか難しいけれど、その視点を小わきに携えておくだけで何かが少し変わる気がします。
人も思考も価値観もひとつの箱に収めたがらない僕は、以前、番組のロケ中に共演者の方からこんなことを言われた。「風間はAかBかと聞いているのに、必ずCの話をする」と。僕はこれを最も優れた“風間俊介評”だと思っている。この連載でも僕はきっとCを届け続けてしまうのだろう。でも、それでいいと思っている。僕のできることといったら選択肢の幅をほんの少し広げることくらい。その中から何を選ぶのかは自分次第。あなたの答えはやっぱり、あなたにしか見つけることができないのだから。
人間は一人ひとり違うからこそ、人も思考も価値観も“ひとつの箱”に収めない by shunsuke
撮影/延命悠大 ヘア&メイク/清家いずみ スタイリスト/手塚陽介 コラージュアートワーク/花梨〈étrenne〉 イラスト/藤原琴美 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2026年7月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。














































































