■シャイな美青年・染五郎さんと、知的な好青年・團子さんはナイスコンビ!!
6月に東劇で行われたトークイベントで登壇する市川染五郎さん(左)と市川團子さん(右)。染五郎さんが手にしているのは、大事にしているぬいぐるみの犬「ボン吉」、團子さんが手にしているのは「ぼん」。その違いを聞かれて、「耳がぱたぱたするのがぼんで、ボン吉はしません」と染五郎さん。わかりません……。同じジャケット姿なのに、全然違う方向性。二人のキャラがはっきり出ている着こなしの違いにも注目!
ばったり小僧 そうですよね。染五郎さんが中3、團子さんは高1と、二人ともまだ若いのに、すでにキャクターが完成されているところも素晴らしいです。 「ウワサの美少年」と名高い染五郎さんは、相変わらずの美しさで、ちょっとアンニュイな雰囲気が魅力だし、團子さんは、ハキハキした利発な好青年って感じで親しみやすさがあります。対照的な二人のバディ感が、また女子的には萌えのツボ♪ 二人とも小さい頃から、よく一緒に舞台に立っていて、本当に仲良しみたいですよ。
小僧 じつは8月に歌舞伎座で上演される納涼歌舞伎には、友達に連れられて、毎年観に行っておりまして、染五郎さんと團子さんが出演する『東海道中膝栗毛』も3年連続で観てるんです、えっへん。
部長 幸四郎さんと市川猿之助さんが弥次さん喜多さんを演じてるやつでしょう? 大人気で、いつもチケットがすぐに完売しちゃうのよね。確か今年も8月にやることになったとか。
この日の司会は、納涼歌舞伎『東海道中膝栗毛』でも脚本に携わった戸部和久さん。特別映像『The DOGGY’s LOOK ―東海道中膝栗毛―』では、企画と脚本も担当。二人とも気ごころの知れた間柄。
部長 それはおもしろそう!! 8月に歌舞伎座でやる納涼歌舞伎って、お祭り的な要素があって、何でもアリって感じだものね。
小僧 そうですね。昨年も弥次喜多だけで、総勢30人くらいの歌舞伎役者さんが出演していて、文化祭みたいでした!! 歌舞伎座って敷居が高いけれど、納涼歌舞伎は演目も新作だったり、気軽に楽しめるものが多くて、私みたいな素人も楽しめるんですよね。しかも普段は、昼の部と夜の部の二部制だけれど、納涼歌舞伎は三部制で、上演時間も短いし、チケット代が安いのもうれしい!! 歌舞伎デビューするなら、絶対納涼歌舞伎がおすすめだと思いますよ。
劇場入口に飾られたぬいぐるみのぼんとボン吉。じつは映像用にホンモノそっくりに作られたダミー。弥次喜多にちなんだ旅姿で、足元もワラジ。「かわいい!!」とお客さんたちはスマホでの撮影に夢中。
小僧 タイトルに『The DOGGY’s LOOK』ってついてたように、染五郎さんと妹の薫子さんが大事にしている犬のぬいぐるみ、「ぼん」と「ボン吉」の視点で、作品の表と裏を紹介するという手のこんだ作りでしたね。吹き替えは、ボン吉を染五郎さん、ぼんを團子さんが担当。そして犬と猫の鳴き声、カマコウライの声は幸四郎さんが担当していました(笑)。
小僧 いや、本当に。 昨年は、その3人が何回も何回も役柄を変えて登場するので、出てくるたびに客席は大爆笑。でも、映像を観ると、3人はめっちゃたいへんだったのね~とびっくり。
部長 舞台裏の役者さんたちの様子を見て、ぼんとボン吉が、「へんな人しかいないじゃないか」「どう見ても普通じゃない」って言っていたのも笑えたわ。
部長 映像を観ると、染五郎さんがボン吉を、團子さんがぼんを持って宙乗りしてたでしょう!? 毎年、千秋楽には、ぼんとボン吉も舞台に登場してるって、トークショーで話してたけど、すごくない? 歌舞伎座で宙乗りしたぬいぐるみって、後にも先にもぼんとボン吉だけ。ぬいぐるみ界のセレブね(笑)。
相変わらず美しい染五郎さん。その語り口は、物静かで穏やか。「映像では、ぼんとボン吉が瞬きをするのを見て驚きました。ぼんとボン吉を多くの人に知ってもらえたらうれしいです」。
■息子たちから見た二人のお父さんは、ともに「ヘンな人」!?
部長 なるほど。だから、この作品には、二人の成長の過程を記録するという意味もあるのかもしれないわね。そして染五郎さんは、「この3年、夏休みはずっと弥次喜多なので、すごくうれしい」と言っていたけれど、二人にとっては、夏休みの自由課題ってとこかしら。
部長 でも、「自分も人のことは言えない」「僕も相当ヘンだと思う」と二人とも言っていたから、いずれ二人もあんなヘンなおじさ……いやいや、あーゆー素敵なおじさまになるのね(笑)。
小僧 團子さんが、ぼんとボン吉について聞かれたとき、「小さい頃から、染五郎さんの楽屋にいたので、勝手に仲のいいつもりでいる」と言っていたのがかわいかったなぁ。それを聞いてる染五郎さんもうれしそうで、なんだか二人の関係性が垣間見れて、ほのぼのしました。
今回の映像作品では、さまざまなアイディアを出したという團子さん。職人気質で納得いくまで何度もリテイクを重ねたとか。「映像は、歌舞伎と違って何度もやり直しができるところがおもしろかったです」
小僧 お芝居が上手になっていたし、笑いを取る間もつかんでいましたよね。イベントでは、「人生初のラブシーンもありましたね」と司会者に聞かれて、「……吹っ切れました……」とも言ってました(笑)。一方、團子さんは、「8月の弥次喜多では、三谷かぶきを越えた染五郎さんの横に並ぶわけですが、どうですか?」と聞かれて、「燃えます! 負けてられません!」と答えていたのが清々しくて、いいなと思いましたね。
8月の納涼歌舞伎『東海道中膝栗毛』第四弾でやりたいことを聞かれて、染五郎さん「本水で立ち廻りをしたいです」。團子さん「抽象的ですが宇宙に行きたいです」。「水がある星、水星に行けば両方できるか!?」と戸部さん。もしかして、今年の弥次喜多が目指すのは宇宙!?
小僧 最高の相棒として、素晴らしい舞台を作っていってほしいです!! そしてそれを見守っていくのもファンの楽しみのひとつ。個人的には、10代のうちにこのコンビで、マンガ『トーマの心臓』と『日出処の天子』を納涼歌舞伎か俳優祭でやってもらいたいです。
部長 小僧の妄想が実現することを祈ってるわ。まずは二人が活躍する8月の納涼歌舞伎に行かなくちゃ!!
小僧 はい、チケット頑張って取ります!!
部長 そして7月13日には、トークイベントと特別映像『The DOGGY’s LOOK ―東海道中膝栗毛―』の再上演があります!! 興味のある人は、ぜひ足を運んでくださーい!!
7月13日(土)、東京 東劇にてイベントが再決定!! 二人のスペシャルトークの他、『東海道中膝栗毛』の特別映像も上演。さらに特製クリアファイルが来場者に限定販売される。 これはゲットしたい!!
『東海道中膝栗毛』(とうかいどうちゅうひざくりげ)
松本幸四郎 市川猿之助
宙乗り相勤め申し候
出演: 市川猿之助、松本幸四郎、市川染五郎、市川團子、中村七之助、市川中車 ほか
日程・場所: 8月9日(金)~8月27日(火)歌舞伎座
ストーリー:2016年より、歌舞伎座の夏芝居の風物詩として好評を博してきた『東海道中膝栗毛』。今年もまた弥次さん、喜多さんが歌舞伎座に帰ってくる!! 今年二人が向かう先は?そしてその珍道中の結末は!? 人気シリーズもついにこれでファイナルに。見逃すべからず!!
「夏再見参!?YJKT(またくるよ こりないめんめん)」
チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹ほかで発売中。
取材・構成/バイラ歌舞伎部
まんぼう部長……ある日突然、歌舞伎沼に落ちたバイラ歌舞伎部部長。遅咲きゆえ猛スピードで沸点に達し、熱量高く歌舞伎を語る。
バッタリ小僧……歌舞伎歴2か月。やる気はあるが知識ゼロの新入部員。若いイケメン俳優より、本当はオーバー40歳の熟年役者好き。