今最も注目される俳優の一人、本郷奏多さんがNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演! 川栄李奈さん演じるヒロインひなたを大いにかき乱す、時代劇俳優・五十嵐文四郎を演じることで早くも話題に。初出演となる朝ドラにかける意気込みや役への思い、そしてご自身のことについてたっぷり語っていただきました。
僕は五十嵐と似ていてまじめ。そして五十嵐よりずっと世渡り上手です(笑)
――本郷さん、朝ドラは今回が初出演ですね。
「朝ドラが決まったことを母親に報告したら、すごく喜んでくれて。両親は朝ドラを必ず見ていたようで、『えー!? いつ出るの?』なんてもう反応がすごかったんです。それで、これは大変なことだと。ワクワクして待ってくれているので嬉しいですね。僕自身も『カムカムエヴリバディ』を初回から見させていただいて、お芝居の上手な方がたくさん出演されているので、ストーリーに深みがあるし、質の高さを感じています。さすが朝ドラだなと」
――今回演じる五十嵐文四郎は、ヒロインをかき乱す役とのことですが…。
「五十嵐は時代劇の大部屋俳優です。スターを夢見ながら、今は切られ役をしているガッツある若者です。ちょっと頭でっかちなので、ひなたとはなかなか噛み合わないところもあって。けど、すごくまじめなやつなんです。一人で京都へ行き、時代劇のスターを目指している。夢のために一生懸命前を向いて頑張っています。僕もこう見えてまじめなので(笑)、ちょっと似てるところがあるなと思いながら演じています。
ただ、五十嵐は非常に不器用なんですよね。人に気持ちを伝えることが苦手。そのせいで若干損してるところもあって。ストーリーが進むと、ひなたにうまく気持ちを伝えられず、もどかしい部分も出てきます。
僕はわりと世渡りが上手な方だと思っているので、五十嵐ももう少し器用に生きることができたらな、なんて思っています」
――本郷さんご自身は俳優というお仕事をどう捉えていらっしゃいますか?
「我々役者って台本に書いてあることをやる、いわば“下請け”の職業なんですよね。与えられたことを真摯にやるだけというか。脚本家の方がストーリーを書いてくださって、監督さんがイメージを作ってくれる。用意していただいた衣装を着て、台本に書いてある言葉を喋る。演じる場を用意していただいたことに感謝しながら、一生懸命、まじめに取り組む。それが役者の仕事だと思っています」
――ひなたを演じる川栄さんの印象を教えてください!
「素晴らしい女優さんです。彼女もめちゃめちゃまじめなんですよ。ものすごく努力をしているのだけど、それを感じさせない。珍しいくらいのストイックな方で、非常に尊敬しています。
僕は、共演者の方とは必要以上にコミュニケーションを取らなくていいと思っているタイプで、現場ではそこまで会話をしないんです。仲が悪いとか、変な意味ではなく。本番のカメラが回った瞬間に100%のことをするのが役者であって、カメラが回ってないところでは無理に仲を深める必要がないというか。こんなこと思ってる俳優ってあまりいないと思うんですけど(笑)、この考え方、川栄さんも似ている気がするんです。
だから川栄さんと一緒にいると空気感や温度感が心地いい。近くにいるんだけど、会話のないまま何十分も経っていた…みたいな感じで。なので、川栄さんとのお芝居はすごくしやすいですね」
――3世代のストーリーを受け継いで演じることへ、特別な思いはありますか。
「世代ごとにキャストがガラリと変わる新しい構成ですよね。前の世代の役者さんたち、先代の方たちの思いを継いでいるので、責任を持って演じなければならないと思っています。皆さんすごく素敵なお芝居をして、とてもいいドラマを作ってきてくださっているので、迷惑をかけないように丁寧に演じたいですね。
安子さん、るいさん、ひなたと、世代は変わってきているけど、ストーリーの根本にある大切なものはつながっている。そこがすごく素敵なドラマだなと思います」
僕の中身は小学生男子のまま。このまま自分らしく生きていきたい。『こいつは何をやってるんだ!?』と思われることもやっていきます
――安子やるいの恋愛模様が話題になってきましたが、ひなた編では文四郎がどのように関わってくるのでしょうか?
「安子さんやるいさんは乙女な感じだったじゃないですか。それと比べると、ひなたはすごくやんちゃで元気。男の子みたいなヒロインなので、わかりやすいLOVEという形ではないかもしれません。ひなたと五十嵐が一緒にいると、まるで小さな男の子と女の子。喧嘩しながらも仲がいい…みたいなほほえましい関係が近いかな。キュンキュンする瞬間はあまり多くはなさそうですが、最終的に二人がどんな方向へ向かっていくのか、そのあたりはぜひ楽しみにしていてください。
そして五十嵐は女の子に対してもやっぱり不器用なやつで(笑)。絶対気になってるんだけど、わざと悪口言っちゃうような。好きな子にほど意地悪しちゃう…みたいなエピソードが出てくるので『文四郎、可愛いなあ』と思いながら見守ってください」
――ちなみに、本郷さんご自身は気になる相手がいたらどんな態度をとってしまうタイプですか?
「うーん、非常に難しい質問ですね。女性にアプローチするという感覚が僕にはなくてですね。結婚はわかるんです。そういう法律があるし。けど、彼氏彼女って書面で契約するわけではないし、何をしたらつきあってることになるかって人によるし。よくわからないなと思ったまま31歳になってしまいました。うまく答えになってなくてすみません…」
――となると、気になるタイプというのは?
「うーん、それも難しい質問なんですが…唯一あげるとすれば、口が堅い子ですね。こういう仕事をしているので、昨今色々怖いじゃないですか。今、SNSとかでなんでも発信できちゃう世の中ですしね。口が堅い子がいいなって思います(笑)」
――BAILA読者と同世代の本郷さん、30歳を機に何か意識が変わったことはありますか?
「いいのか悪いのか、本当に何も変わってないんですよね。中身は小学生男子です(笑)。まあでも元気だし楽しいし、このまま自分らしく生きていこうと思っています」
――朝ドラを朝のルーティンにしている視聴者も多いと思います。本郷さんの朝のルーティンは?
「その日の仕事によって家を出る時間が異なるので、決まったルーティンはないのですが。しいてあげるとすれば集合時間の4分前にアラームをかけて起きること。起きてから、トイレ行って、ダッシュで歯を磨いて、服を着替えて、スタッフさんの迎えの車まで行くのがちょうど4分。1分でも早く起きると、時間が余っちゃうし、あと1分起きるのが遅いと待たせちゃう。この4分が僕の朝のルーティンですね」
――本郷さんといえば最近はYouTubeでの配信も話題です。ずっと俳優をされていた本郷さんが、大人になってから新しい挑戦を始めたことに驚いたり、勇気をもらったというBAILA読者もいます。
「コロナ禍によって、自宅で過ごす時間が増えたから始めたという部分が大きいです。とはいえ、配信をする俳優さんはほかにもいらっしゃるので、ちゃんと差別化をはかろうと計算しているんですよ。徐々に殻を破っていって『こいつは何をやってるんだ!?』と思われることをやってやろうと。ポケモンやガンダムなど自分が大好きなジャンルを突き詰めるのはもちろん、動画の編集もすべて自分でやるのがこだわりです。朝ドラの撮影をしている大阪にもカメラとパソコンは持っていって、空き時間に編集をしています。コロナが落ち着いたら、友達と遊んでいるような配信もやってみようと思っています」
――最後に、これからの『カムカムエヴリバディ』の見どころを教えてください!
「3世代でつないできた『カムカムエヴリバディ』、いよいよ最終パートに入っています。見どころは、時代劇の撮影所の中のシーンが出てくるところ。時代劇好きのひなたが、俳優さんを見かけて『わー!誰々や』みたいな感じではしゃいだり。るい編でもちょこちょこ出てきた俳優さんがまた登場するので、視聴者の方にとっても『あ、あの人がいる!』みたいな感動がひなちゃんと同じようにあるんじゃないかなと思います。
また、ひなた編から新しい作品がスタートするという感覚なので、今まで見てくださっていた方はもちろん、見ていなかった方にも楽しんでいただけるストーリーだと思います。ぜひご覧いただければ嬉しいです」
●ほんごうかなた 1990年11月15日生まれ 宮城県出身 大河ドラマ『麒麟がくる』、NHKドラマ『大江戸もののけ物語』、日本テレビ×Hulu共同制作ドラマ『君と世界が終わる日に Season2』、映画『進撃の巨人』、『キングダム』など数多くの作品に出演。2月11日公開の映画『嘘喰い』にも出演している。
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本郷奏多さんフォトギャラリー
NHK提供
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撮影/イマキイレカオリ スタイリスト/川地大介 ヘアメイク/髙橋幸一(Nestation) 取材・文/鈴木絵都子