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松村沙友理の「感情表現とわたし」【連載 松村沙友理の大人学】

さゆりかれんと 松村沙友里の大人学

大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」。第5回のテーマは感情表現。大好きな漫画作品を「感情の表現に惹かれる」と語っていた彼女。自分自身の感情表現についていろいろと思うところがあるようで…。

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“喜”や“楽”の笑顔はもちろん“怒”や“哀”の表現が光った

松村沙友理さん 喜

「私の喜怒哀楽は“喜”と“楽”がかなり多め(笑)。自分が楽しんでいると、周りの空気も明るくなる。それは、今も昔も私の“お手本”である母が教えてくれたこと。私は母について説明するとき『松村沙友理から負の感情を取った人』と表現するのですがそれくらい、母はケンカもしないし、悪口も言わない、いつもニコニコ明るい人。私も母のように、周りを明るく照らす女性でありたいなって思う」

松村沙友理さん 怒

「私が最後に怒ったのはいつだろう。もう数年前かもしれない。ネガティブな感情は前に進もうとする人の足を引っぱり、自分にも周りにも悪影響を及ぼすと思うから気づいたときには、受け流す癖がついていた。だからかな、ネガティブな感情はいつも遅れてくるんです。たとえば、昼間なにか嫌だと感じることがあってそのときは大丈夫なんだけど、帰り道で急に思い出しモヤモヤし始めたりして」

松村沙友理 哀

「笑顔のイメージが強い」とスタッフが言い、「ネガティブな感情を出すのが下手かも」と沙友理さん自身も語ったインタビューを終え、いざ撮影。カメラの前で喜怒哀楽を表現してもらったら意外(?)にも“怒”や“哀”の感情が、突き刺すようなまなざしとともに出現しました。

楽

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気持ちがうまく伝わらない感情表現はムズカシイ

「周りから『何を考えているのかわからない』と言われることがたまにある。知り合って何年もたつ人から『いまだに壁を感じる』と言われたこともあれば、心を許しているつもりだった友達から『沙友理は人を寄せつけないよね。それを少し寂しく感じる』と打ち明けられたことも。『本音が見えない』と言われてしまったこともある。自分ではそんなつもりはまったくないし、なんなら『距離を縮めたい』『もっと仲よくしたい』と思っているのに。それが相手にちゃんと伝わっていないのならば……。どうやら、私は感情表現が苦手らしい。

今日、その理由を考えていたら、スタッフさんから『さゆりんごは気をつかいすぎてしまうのかもしれないね』と言われた。確かに、姉と弟に挟まれた真ん中っ子ゆえか、私には周りの空気を読みすぎてしまう癖がある。たとえば、姉と弟が偏食ぎみだったからこそ、料理を作る母のために『せめて、私はなんでも食べる子になろう』と頑張って好き嫌いをなくしたりして。その“癖”は乃木坂46のグループ活動でさらに加速したような気がする。団体行動だからこそ協調性が大事。自分一人の感情で周りを振り回したり、みんなの足を引っぱってはいけない……。そんな気持ちで毎日を過ごしてきたから。演技レッスンの先生から『よくも悪くもネガティブな感情を押し殺す癖がついてしまっている』と指摘されたこともあったりして。

感情を出しすぎてもダメだし、感情を出さないのもまたダメと言われる。感情って本当に難しい‼」

素直に頼ったり甘えたり、そんな女の子になりたかった

松村沙友理さん

「私は自分のことを話すのが苦手だ。周りのことを考えすぎてしまうからこそ『つまらないかも』『興味がないかも』と言葉をのみ込んでしまうこともあれば、『これを言ったら嫌な思いをさせるかも』と頭の中で言葉の添削を繰り返すうちにとても短い言葉に仕上がってしまうこともある。

私は誰かを頼ったり甘えたりするのも上手じゃない。今まで『悩みがあったら相談してね』と声をかけてくれる人はたくさんいた。正直、私はその言葉が苦手だった。『親切で言ってくれているんだから、何か相談しなきゃ』ってプレッシャーを感じてしまうから。お願いごともまた苦手。自分のために時間を割いてくれることが申し訳なくて。『私は大丈夫ですから、貴重な時間は自分のために使ってください』の気持ちになってしまう。気づけば、私はなんでも一人でできるようになっていた。

そんな私だからこそ、素直に自分の気持ちを表現できるような、あっという間に誰とでも仲よくなれるような、コミュニケーション上手の女性にはものすごく憧れる。少しでも、そんな女性に近づきたくて。引っ越しをするとき、私はいつも『今度こそ、友達を家に呼ぶんだ』と来客用のグッズを買いそろえる。だがしかし、4枚セットのお皿は自分用の1枚しか使われないまま。相変わらず『ごはんに行きましょうよ』『電話番号を交換してください』そんな言葉はうまく言えない。今年こそは、4枚のお皿をちゃんとセットで使う日が訪れることを……。心から祈る私なのです」

ブラウス¥13970・パンツ¥15950(ともに3月中旬展開)/アンクレイヴ(アンクレイヴ スタンダード) リング(人さし指)¥20900・(中指)¥77000/マリハ 靴¥36300/ベイジュ(ピッピシック)

撮影/taiki ヘア&メイク/木部明美〈PEACE MONKEY〉 スタイリスト/水野利香 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2022年3月号掲載

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