大人の学び直し“リカレント教育”をもじって、松村沙友理さんの大人への一歩を記録する連載「松村沙友理の大人学」。第9回のテーマは「ワイン」。映画撮影での出会いから、少しずつ縮めてきたワインとの距離。今回は、人工的な手法や添加物を極力加えず、風土や造り手の哲学がダイレクトに反映される“自然派ワイン”とお近づきになれたら。沙友理×自然派ワインの化学反応は、どんな美味しい解と出る?
お酒なら、ワイン派
ワインにまつわる映画の撮影で、ワインについて学んだり、素敵な銘柄を飲ませてもらったんです。現場のスタッフさんたちが生粋のワイン好きで、味わうたびに「香りが素晴らしい」とか「いい造り手さんだね」なんて会話も飛び交って。私自身、経験は少ないながらも年代や産地によってまるで味わいが異なることに驚いたし、歴史が深い“旧世界”のものは年齢的にまだ早い気がしたのと、どちらかというと“ニューワールド”の風通しがよく軽やかなワインに惹かれることにも気づけて。もっと知りたいと思うようになりました。
以来、大阪に帰省するときにはお酒好きの父が好きなフルボディのワインを品川駅で3本ほど買って一緒に飲んだり、「ふるさと納税」では国産のワインばかりを購入する日々(笑)。家ではワインを主役にチーズを少し、くらいの感覚で味わっています。
単語としては耳にしていたけれど、ほかとの違いがわからなかった“自然派ワイン”。聞けばその土地の畑で育ったブドウを、なるべく人の手を介さずに造られたもの。今日はギャラリーみたいなワインショップの奥にある角打ちで赤や白、オレンジなど4種類のグラスワインを飲んでみました。エチケットのデザインが洒落ているものが多いし、香りは甘くて華やかなのに飲むと爽やかでギャップがあったり、味は深いのに体内にするするしみ込んでいったり……。それぞれ個性をキラキラ放ちながら、ワインの主役であるブドウどころか、ブドウの木全体やその土地の豊かな風土まで感じられる。うまみも強いので、実は家庭料理との相性もよいそう。鮎の塩焼きやクリームシチュー、白ご飯……大好物との化学反応を楽しんでみたいです。味わうほどもっと知りたくなる魅惑の存在だし、自然派ワインによって幅も広がった気がします。はぁ、幸せ♡
ワインってどう選べばいいの?
普段はお店で「重すぎない赤で」と好みを伝えておすすめを購入。最近はエチケットや色の美しさで選ぶことも。お気に入りの一本を見つけ、同じ造り手の別のものや、その造り手の師匠のワインなど、派生させて選ぶのも楽しいそう。
どれを試してみよう?
ショップ奥の角打ちスペースでは、常時約10種をグラスで試せるそう。今日はアメリカやチリ、オーストラリアなどニューワールド系、さらにイタリアの気鋭の造り手である「ラディコン」や注目の国産ワインを選んでもらいました♡
ブドウのいい香りがする♪
南アフリカ産の「オ・ト・メ ペットナット」の泡は、私が知っているワインの香りではなく、ブドウの果実そのもの! 甘〜い芳香なのに飲み心地はドライ。4種類を試しましたが、どれも意外性があり、個性が際立っていました♪
この2本に決ーめた♡♡
エチケットで選んだフランスの造り手「バルタソウ」の「アン プティグランデュ マムール」(右750㎖ ¥3150)と、味で選んだ、新潟で造られる「KIYO WINES」の「“すず...”って、⾔って 2021」(左750㎖ ¥4650)の2本をお持ち帰り。自宅で串に刺して焼く鮎の塩焼きとペアリングするのが楽しみ!
“知る”と、もっと“楽しむ”が広がる!
「普段のワインが美味しいからそれで充分と思っていたこともあり自然派との違いをわかろうともしていなかった私……。想像以上の景色を見せてもらえた今回、何事も知ろうとしないと世界は広がらないですよね」と沙友理さん。
訪れたのは no.501
SHOP DATA
東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑
☎ 03(6721)0510
営業時間:月~土12時〜23時(日・祝〜22時) 不定休
ワンピース¥17600/ビームス 新宿(ビームス ライツ) リング(右手)¥17600/デミルクス ビームス 新宿(ローラロンバルディ) イヤカフ¥16500・リング(左手)¥28050/プリュイ トウキョウ(プリュイ) バッグ¥19800/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(ノマディス)
撮影/嶌原佑矢 ヘア&メイク/森野友香子〈Perle Management〉 スタイリスト/山﨑静香 取材・原文/広沢幸乃 ※BAILA2022年8月号掲載