漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、“逃げ恥”の著者・海野つなみさんの最新作『スプートニク』をご紹介します。
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中川 薫
漫画・お酒・旅好きのライター。いまさらながらウォーターサーバーを購入。もっと早く買えばよかった……。
©海野つなみ/祥伝社フィールコミックス
前職(ウエディングプランナー)で部下と上司だった浅利と汐路、汐路の弟でフリーランスデザイナーの渡は、行きつけのカフェに時折集まっては、ゆるゆるとしゃべる仲。そんな居心地のいい関係を10年続けてきたが、コロナのあおりで浅利は失業。汐路は仕事への不満と将来への不安を抱え、渡もリモート業務の毎日で人恋しさが募っていた。ある日、汐路と渡の母親が倒れてしまい……。「失業したけどやりたいこともない」(浅利)。「気兼ねなく誰かに会いたい」(渡)。そして汐路は仕事と介護の両立問題に直面。この関係は八方ふさがりかと思いきや、偶然が重なり、3人は“起業”という活路を見いだす。
著者は“逃げ恥”で“〇〇はこうあるべき”という“呪い”の存在を描いて多くの共感を得た。本作では「幸せ」を基準にした働き方を提起するとともに、気持ちをあいまいにしない関係の心地よさを教えてくれる。自分を差し出さず、相手に押しつけず。人生が旅なら、旅仲間はそのくらいの距離感がちょうどいい。
『スプートニク』
海野つなみ著
祥伝社 全 1巻 1012円
上司の汐路に辞表を出した浅利。なぜか汐路も退社することに。半年後、汐路の結婚パーティで浅利は汐路の弟・渡と出会う。『逃げるは恥だが役に立つ』の著者最新作。
漫画好きならこれも必読!
『スケバンと転校生』
ふじちか著
双葉社 1巻~ 770円
強面スケバンの口からもれる「あんよ」という言葉の衝撃!
孤高のスケバン・あつ子に「かわいい言葉」を言わせたくて仕方がない転校生・凛々。二人の萌える攻防と友情(恋?)から目が離せない! ’80sスクールコメディ。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2022年9月号掲載