世の中の酸いも甘いもかみ分けた「鶯谷フィルハーモニー」の4人とお酒を酌み交わし、とりとめのない話に花を咲かせる。そんな日があってもいいじゃない。友達には打ち明けられないセンシティブな乙女心も彼らなら笑って受け止めてくれる。鶯谷的オトナの恋愛相談を、発売中のBAILAhomme3からピックアップ! 前後編の前編です。
Q. 本当は彼に甘えたい気持ちがあるのに素直に甘えられません。甘え上手になるにはどうしたらいいですか?
A. そんなあなたに、魔法の言葉を授けます。「いいんですか~?」(柏原)
西部 経済的に自立してる女性ほど持ちそうな悩みですね。令和っぽい。
徳井 甘えベタは甘えベタでよくない? しっかりした人やなとか謙虚な人やなって思われるメリットもあると思うけど。おごられて平気な顔して る人より、「いいです、払います」って子に好感を持つ男もけっこういますから。
柏原 でも、甘え上手になりたいんだとしたら、僕から魔法の言葉を授けます。
キック そんなん、あるんや! 俺も知りたい。
柏原 「いいんですか~?」です。
キック 「いいんですか~?」
柏原 たとえば「このあと、車で送ってくよ」って声かけたときに、「悪いからいいです」より「いいんですか~?」って明るく言ってくれるの、よくない?
徳井 あー、収ちゃんそれ好きやなー……。でも、悪くないよな。次の現場の通り道にキックの家あるから、タクシー乗ってくか?
キック いいんですか~?
Q. 推しに夢中で現実の人間に恋ができません。でも結婚したい気持ちもゼロではなくて……。どうしたらいいでしょうか
A. “世界の後輩”を見つけて結婚しちゃおう!(西部)
柏原 それで満たされてるなら推しに恋してるままで全然問題ないと思うけど……。
キック でも10年後くらいにだよ? 万が一推しへの愛が冷めた瞬間、地獄じゃない?
西部 相談してくれた人は結婚したい気持ちがあるわけだから、それは恐怖かもね……。
キック だから、とりあえず現状をキープしたまま適当なヤツと結婚するのがいいと思う。
柏原 その発想、キックっぽいなあ、もう。でもどこで見つけるの?
西部 どの界隈にも一人くらいは“世界の後輩”みたいなヤツがいるから大丈夫。
徳井 「あいついいヤツなんだけどなー」みたいなヤツね。たしかにいるよな。
西部 そういうヤツってだいたいただただ優しい。きっと「君はそのままでいいんだよ」って言って結婚してくれます。
キック そうそう。だから推しひとすじでももちろんいいけど、もしどうしても結婚ってことなら、“世界の後輩”を落とすのがいちばん!
Q. 夫とは仲よしですが、セックスレスです。浮気したくはないですが、このまま一生しないのかと思うと軽い絶望が……
A. 残念ですが、セックスレスエクスプレスは止まりません。すべてはその現実を受け止めるところから始まります(徳井)
徳井 レス問題はね、話題に挙がるたびに「セックスレスに向かう電車は走りだしたら止まりません」て発言するんですけど、だいたい女性から「でも頑張れば止まるでしょ?」って食い下がられて……でも、残念ながら止まらへん。
そこに理由なんてないんです。あるのはただ、セックスレスエクスプレスは止まらないという現実だけ。対策ができるとしたらいかにそのスピードをゆるめて、各駅停車にする努力ができるかだけなんですよね。
キック ほんとこの電車が走りださない男はほぼいないから、誰が悪いわけでもない。
徳井 彼の前でおならをしないとか裸で歩かないとか、する頻度をあらかじめ決めとくとか、細かい努力で多少なりとも電車が減速することもなくはないよな。それと、男は単純。追えば逃げる、逃げれば追うの方程式がバッチリ当てはまるから、バカバカしいと思いながらもたまに誘いをスッとかわしてあげる。
その上で「なんでしないの」と責めたりしないで、コミュニケーションを工夫するとかね。子どもがいるなら、欧米式に子どもと一緒に寝ないとか。あとはかるく色恋をにおわせるのも、アリかもしれんなあ……。「あそこの旦那かっこええわ」とか、そんくらいでも充分効きますから。
柏原 でもレスになるって、パートナーに対する気持ちが恋から愛に変わるからでもあるんだよね。相手をいとおしく思う気持ちが、セックスしたい気持ちを上回ってしまうだけというか。
西部 でもセックスって誰とでもできるものではないから、結婚してて、夫側がレスで、女性にしたい気持ちがあるとなるとそこが難しい。
徳井 ほんま、旦那にバレんように浮気する以外に解決策がないのよね。でもそんなこと公の場で推奨したらあかんし。
柏原 でもこの相談者さんは浮気はしたくないわけだから。となると、最近話題の女性用風俗とかもアリなのかな……?
徳井 そうかもしれんなあ。とにもかくにも性欲があるのは生き物として当たり前のことやから、したいと思う自分がおかしいわけじゃないということだけは理解してほしい。その上で納得できる解決策を探っていただきたいです。歯切れが悪くてすんません。
結成12年目にして雑誌のインタビューを受けるのは初。はじめまして!僕たち「鶯谷フィルハーモニー」です
徳井 ひと言で言うと、僕らはただのお下劣バンド。私の書くお下劣な歌詞に柏原さんがいつも素敵なメロディをつけてくれていて、その楽曲をくすっと笑いながら聴いてもらえたらいいなという思いで活動中。利益は一切追求していません。
柏原 僕とキックとボンちゃんは徳井義実の脳内エンターテインメントを実現化する役割を担っていると自任してるから、基本Noは言わないスタンスで持ち場に専念。
キック バンドの後のアフターパーティもひっくるめて楽しんでほしいよね。
西部 「野鳥の会(ファン)」へのエントリー、いつでもウェルカムです!
徳井義実
とくい よしみ●1975年4月16日生まれ、京都府出身、A型。バンドのボーカルであり、全楽曲の作詞を担当。キャンプの達人としても名高い。愛称はよっきゅん、徳井先生。
柏原収史
かしわばら しゅうじ●1978年12月23日生まれ、山梨県出身、A型。楽曲の作曲、編曲を担当。愛称は収ちゃん。俳優業も順調。黒霧島をこよなく愛している
西部好範
にしぶ よしのり●1979年2月19日生まれ、岐阜県出身、O型。バンドのドラマーでその素顔は実業家。ファンクラブの管理など事務も担う。愛称はボンちゃん。
ISAKICK
いさきっく●1981年3月18日生まれ、福岡県出身、O型。バンドのベーシストであり、ライブのアフターパーティではDJを担当。「175R」のベース。愛称はキック。
鶯谷フィルハーモニー
チュートリアルの徳井義実を中心に不思議な縁のある4人が集まり、2011年に結成されたお下劣悦楽バンド。男心を素直に綴ったリリックから広がる独特の世界観と4人のユーモアで注目を集めている。ファンネームは「野鳥の会」。
撮影/東 京祐 ヘア&メイク/竹中真奈美 取材・原文/石橋里奈 ※BAILAhomme vol.3掲載
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