歴史あるサントリーホールが、少人数で演奏する親密な音楽“室内楽”のフェスティバルを開催。アカデミー生として出演する、注目の若手ピアニスト三浦舞夏さんに意気込みを伺いました!
サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)って?
サントリーホール ブルーローズ(小ホール)で毎年開催されている国内最大規模の室内楽フェスティバル。チェンバーミュージック(室内楽)の起源は、ヨーロッパの宮廷で奏でられた少人数の器楽合奏によるサロン音楽。クラシックの原点ともいわれる室内楽を気軽に楽しんでほしいとの想いから、2011年に企画がスタート。演奏者の息づかいを間近に感じられる空間でハートフルな調べを堪能できる。
室内楽は一期一会の音楽。一体感とライブ感を楽しんで
クラシックの原点ともいわれる室内楽とは、少人数で演奏する音楽のこと。サントリーホールでは、多彩な室内楽を気軽に楽しめる祭典「チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)」を6月に開催。未来の大器が集う“サントリーホール室内楽アカデミー生”として、CMGに出演するピアニスト三浦舞夏さんにアカデミーの様子やCMGに懸ける想いを伺った。
「私はクレアール・クァルテットのメンバーとして、毎月ワークショップに参加しながら、様々なピアノ四重奏の作品に取り組んできました。その集大成をCMGの舞台で披露できるのが楽しみです。合わせる回を重ねるごとに四人の演奏がひとつの音楽になっていくのを感じています」
父、母、兄がヴァイオリン奏者の三浦家。唯一ピアノを選び、小さい頃から室内楽に親しんできた三浦さん。その魅力を「作曲家のメッセージが親密に感じられる一体感とライブ感」と教えてくれた。
「室内楽を構成する各楽器には作曲家のメッセージが込められているんです。自分が演奏しながら相手の音を聴いて、お互いの呼吸を感じる。それがひとつに集まって音楽になるのが室内楽の醍醐味です。オーケストラと比べると演奏者の数が少ないので、各楽器のメロディーの主張や関係性、音のコミュニケーションが客席からもはっきりわかると思います」
会場のブルーローズはサロンのような空間で心地よい響きが魅力。舞台を客席がぐるりと囲む特別な配置により、演奏者の息づかいや表情が近くに感じられる。
「お客さまと一体感があり、一緒に作品を楽しめるのがCMGならでは。演奏していて感じるのが、室内楽は一期一会だということ。その瞬間にしかできない音楽があって毎回新しい発見があるんです」
ピアノ以外の楽器の響きを、ピアノで探りながら奏でるのも楽しい。
「室内楽では、ピアノが弦楽器や管楽器のような役割を求められることも。ペダルの使い方や歌い方を工夫して、イメージした音を表現する瞬間がワクワクします。ピアノって可能性が無限大なんです」
推しの演奏家を見つけると幅広い演奏会に行きたくなる
三浦さんが出演する「室内楽アカデミー・フェロー演奏会」は、6グループの演奏を聴ける贅沢なプログラム。目の前で繰り広げられるフレッシュな才能の情熱的な掛け合いに、思わず推しの演奏家を見つけてクラシックにハマる人も。
「一楽章ごとの演奏なので一曲10分ほど。トークもありますし、室内楽が初めての方も聴きやすいと思います。アカデミー生はそれぞれオーケストラに所属していたり、ソロ活動をしていたりと多様なので、お気に入りのアーティストを見つけると楽しみ方の幅が広がるかもしれません」
好きなおしゃれをして出かける場にも。
「ドレスコードはないので、気軽なスタイルから和服やフォーマルまで皆さん様々です。私が演奏会に行くときは、きれいめのワンピースを選んだり。おしゃれをして出かけるのって楽しいですよね」
三浦 舞夏
みうら まいか●1996年生まれ。3歳でピアノを始め、桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部卒業。在学中よりコンクールに多数入賞しARKクラシックスや宮崎国際音楽祭などに出演。ソロと同時に室内楽やアンサンブルピアニストとして活躍する。サントリーホール室内楽アカデミー第7期在籍。
『チェンバーミュージック・ガーデン 2024』
三浦さんが所属するクレアール・クァルテットは6月15日に出演予定
ワークショップの風景。学んだ成果を演奏会にて発表。ヴァイオリン東亮汰、ヴィオラ古市沙羅、チェロ山梨浩子、ピアノ三浦舞夏。
日程/6月1日(土)〜16日(日)・全21公演
会場/サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
旬の演奏家や円熟の音楽家、未来を担うサントリーホール室内楽アカデミー生たちが国内外から集結。舞台と客席が一体となる室内楽の音色に包まれるひとときを!
公式サイト
●お問い合わせ先/サントリーホール チケットセンター ☎0570-55-0017
撮影/沖島悠希 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2024年6月号掲載