海外ドラマに詳しいライター・今 祥枝と編集・ぴらが、働く女性におすすめのドラマをピックアップ! 今回は、ジェームズ・クラベルのベストセラー小説をハリウッドでドラマ化した『SHOGUN 将軍』をレビュー。真田広之をはじめ、浅野忠信、二階堂ふみら多くの日本人キャストに注目して。
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真田広之が戦国一の武将を熱演! ハリウッド製作の日本の時代劇が大人気
今 20年ほど前からロサンゼルスに拠点を移し、最近では『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でもキレッキレのアクションを披露していた真田広之が、主演&初のプロデューサーもつとめたハリウッド製作の日本が舞台の本格的な時代劇「SHOGUN 将軍」が大ヒット! エミー賞を筆頭に今期の賞レースを席巻するだろうと現地では絶賛評が相次いでいます。
編集ぴら(以下ぴ) 日本を舞台にした戦国絵巻といえど、ハリウッド製作だと私たちが触れてきた時代劇とは、映像の質感や話の視点など、切り取り方が違って面白いですね!
今 日本人俳優がメインで約7割が日本語のセリフと、ハリウッドドラマとして稀有な作品。将軍の座をめぐる陰謀や策略の物語は、東西文化がぶつかり合う中での心理戦がスリリングに展開するけど、何よりも登場人物の深みのある感情描写は見ごたえたっぷり!
ぴ 1話の武士がメンツのために切腹しようとするシーンを見て、紋切り型の描き方をする作品なのかと思ってしまったのですが、そんなことはまったくなく! 回を重ねるうちに、義を重んじる者や功名心から裏切ろうとする者など、戦国時代を生きる人間味のあるキャラクターたちに魅せられていきました。
今 最終話まで見ると、心の底から真田さんが演じる窮地に追い込まれた戦国武将、虎永のあっぱれな生き様を見よ! と言いたくなる。殺陣も見せてくれるけど、真田さんの演技力が遺憾なく発揮できているつくりが嬉しい。
ぴ 通訳としての役割を果たすキリシタンの鞠子、アメリカで人気急上昇中の穂志もえか演じる名家の娘・藤のほか、知性のある女性陣の描き方もよかったです。私の中では、鞠子がいちばん“武士”だったかも。
今 鞠子役のアンナ・サワイの終盤の見せ場はふるえるほどの名場面。ぜひ目撃して!
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『SHOGUN 将軍』
ジェームズ・クラベルの同名ベストセラー小説をハリウッドでドラマ化。日本の戦国時代の人物や出来事にインスパイアされた物語。窮地に立たされた戦国武将・虎永と日本に漂着したイギリス人のジョン・ブラックソーン(後の按針)らを中心に、“将軍”の座をかけた陰謀や策略を描く。真田広之、浅野忠信、平岳大、西岡德馬、二階堂ふみらキャストのほかスタッフにも日本人が多く起用されている。
ディズニープラスの「スター」で独占配信中
イラスト/chii yasui ※BAILA2024年7月号掲載 ※配信情報は記事掲載時点のもので、変更になっている場合や、配信が終了している場合があります。