生活の中にある感動や喜びを“今の日本語”で表現する現代短歌。三十一音の詩的な世界に癒されているバイラ世代が昨今増えているらしい! 今回は現代短歌の基本的な紹介と、バイラ読者が現代短歌の好きなところを発表!
WHAT'S 現代短歌?
俳句とは何が違うの? どこからが「現代短歌」と定義される? 基礎知識を押さえておけば、より豊かに楽しめる!
五七五七七、三十一音の短い詩が短歌
初句(五)、二句目(七)、三句目(五)、四句目(七)、結句(七)の三十一音で構成される詩。一首の中で内容が分かれる場合は前半の五七五を「上の句」、後半の七七を「下の句」と呼ぶ場合も。
季語は入れ込まなくてもOK!
「五七五」の俳句では入れるルールになっている、季節にまつわる言葉(季語)は不要。歌をつくることを「詠む」「作歌する」と表現する。歌の数は、一首、二首と“首”という呼び方でカウント。
今の言葉で作者が感じたことを“詠む”
江戸時代までの歌が「和歌」。明治~戦前までが「近代短歌」、そして戦後以降の歌が「現代短歌」という区分。今、使っている言葉で、つくり手の感覚や感情を、風景やものなどに絡めて詠むのが主流。
ありえないくらい眩しく笑うから好きのかわりに夏だと言った
『水上バス浅草行き』所収(岡本真帆著 ナナロク社)
詩集から顔を上げれば息継ぎのようにぼくらの生活がある
『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』所収(歌は木下龍也 岡野大嗣との共著歌集 ナナロク社)
BAILA読者に聞いた現代短歌のここが好き!
毎日の息抜きや自分に活力を与えるために、三十一音から心の栄養をもらっている人たちが増えている!
「限られた文字数の中から、詠んだ人の思いや、メッセージが伝わってくると、心に響きます」(30歳・メーカー)
「読むと頭の中で情景が広がってくる。すべてを語っていないのに刺さるものがある、趣の深いところに惹かれています」(28歳・マスコミ関係)
「日常の中の小さな気づきや“あるある”的な内容に共感。Instagramでいうとストーリーズぐらいの、軽やかな表現形式に親近感も!」(33歳・会社員)
「同じ歌でも読んだ人によって、思い浮かべる情景や、受け取る答えが違ってくるところが面白い!」(37歳・翻訳関係)
「好きな歌集や一首に出合うと、まるで“心のお守り”を見つけたような気分に。嬉しいとき、疲れたときなど自分に寄り添ってくれています」(35歳・印刷)
「仕事に忙殺されていると感じたら歌集を読んでます。ほっとひと息つけるし、衰えかけていた感性も取り戻せるような気がする。私のご自愛アイテム!」(38歳・企画事務)
イラスト/髙橋あゆみ 取材・原文/石井絵里 参考文献『短歌の詰め合わせ』(東直子著 アリス館) ※BAILA2024年7月号掲載