宮藤官九郎さんと初タッグでも注目の菅田将暉さんは現在31歳。「がむしゃらにこなした」と語る20代から、仕事への向き合い方に変化は? インタビューの後編では、仕事へのモチベーションの維持の仕方や、一人の時間の過ごし方についても伺いました。
菅田将暉
1993年生まれ、大阪府出身。2013年『共喰い』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2017年からはアーティスト活動も開始する。2025年にはNetflixドラマシリーズ『グラスハート』が配信予定。著書に『着服史』(ワニブックス)などがある。
インタビュー「コロナ禍を経て、指針となる大きな軸を持ちたくなった」
——映画『サンセット・サンライズ』は新型コロナウイルス感染症によって、小さな町に暮らす人々の生活がガラッと変わってしまう、という描写もしっかり描かれています。菅田さんご自身は、コロナ禍を経て変わったことなどはありましたか。
目の前にいる人とのコミュニケーションをおろそかにしてはいけないことを学びました。また、様々な情報が錯綜する中で、自分の中で軸になるものはしっかり持っていきたいと意識するようになりましたね。
——菅田さんの“軸になるもの”とは?
今、大きな軸というか大切にしたいものは、家族ですね。家族が人生における一つの指針になっています。人って、自分だけのためにはなかなか頑張れないじゃないですか。頑張るのにも限界がありますよね。
健康のために朝6時に起きて走ろうと決めても、なかなか続かないけれど、それが仕事のためだったり、誰かと約束していたりするとはじめてできるようになる。最終的に健康でいないと家族を心配させるし、仕事でも迷惑がかかるので頑張るしかない、って感じです。
——菅田さんも、頑張れないときがあるんですね。
「減量して偉いね」とかよく言われるんですが、仕事だからやっているだけで、みなさんが会議用の資料を作るために、努力して調べものをするのと一緒です。だから仕事と関係なくなると、途端にできなくなります。
できないことといえば電子機器も苦手です。いまだにiPhoneの“フリック入力”なんてできないですから。あれ、いつの間にみなさんできるようになったんですかね。誰かに習ったわけではないですよね?(笑)
——菅田さんは、一人の時間があったら何をしていますか。
純粋に趣味だと思えるのは漫画です。YouTubeや、麒麟の川島さんとかまいたちの山内さんが出演している番組で漫画情報を得ています。
今まで読んだことのなかった名作漫画を読むことにハマっていて、こないだは『はじめの一歩』を、現在(取材時)までに刊行されている141巻すべて読み切りました。めっちゃ面白くて2週間ぐらいで読みました。『BAILA』読者のみなさんに、ぜひ読んでみてくださいって気軽に言える長さではないのですが(笑)。
30代、ここからは体力勝負
——現在、菅田さんは31歳。歳を重ねていくうえで、仕事への向き合い方に変化はありましたか。
30代でやらせてもらっている仕事って、自分が20代のときに積み上げてきた仕事の延長なんですよね。今回も岸善幸監督だけでなく、カメラマンさんやスタイリストさんなど、知っている方が多い現場だったので気持ちも入りやすかったです。
20代のときはとにかく数をこなすことを重要視していました。自分にはどんな仕事がフィットするか、何が身に付くかもわからないからどんなものでもやってみよう、と。そして、がむしゃらにこなした結果がだんだんとわかってくるのが、30代。ここからは体力勝負だな、というのはひしひしと感じています。
20代って仕事で寝てなくても遊べたし、体力があったからか心も健康でいられましたが、30代になって体力と回復力が落ちてくるとメンタルのケアも重要に。心身ともに健やかでいるために、ストレッチを入念にしたり、トレーニングをしたりしています。やっぱり健康が一番ですから。
映画『サンセット・サンライズ』公開情報
1月17日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
出演:菅田将暉、井上真央、中村雅俊、三宅健、池脇千鶴、竹原ピストル、小日向文世ほか
Ⓒ楡周平/講談社 Ⓒ2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
ジャケット¥99000、シャツ¥44000、パンツ¥46200、ベルト¥20900/すべてティー・ティー(075-525-0402)
撮影/黒沼諭 ヘア&メイク/AZUMA(M-rep by MONDO artist-group) スタイリスト/二宮ちえ 取材・文/高田真莉絵 構成/渋谷香菜子