怒りと悲しみ、色気と狂気がほとばしるパク・ヒョンシクの新境地
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韓国ドラマ大好き! なライターがおすすめしたい作品を紹介する不定期連載コラムです。
今回は2兆ウォンの政治裏金をハッキングしたソ・ドンジュ(パク・ヒョンシク)が、自分を殺めた絶対悪とその世界を崩壊させるため、全てを懸けて戦う復讐劇『埋もれた心』を紹介します。
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
『埋もれた心』
全16話
出演:パク・ヒョンシク、ホ・ジュノ、ホン・ファヨン、イ・ヘヨンほか
ディズニープラスのスターで独占配信中
(C)2025 SBS & Studio S. All rights reserved.
あらすじ

ドンジュのスーツ&オールバック姿の神々しさたるや!
大山(読み:テサン)グループ役員を務めるソ・ドンジュ(パク・ヒョンシク)は、社内で唯一金庫の暗証番号を共有可能なほどチャ・ガンチョン会長(ウ・ヒョン)から絶大な信頼を得ていた。ある日、ドンジュに会長の孫娘との縁談が持ち上がる。出世への野心が強いドンジュだが、心から愛する恋人ヨ・ウンナム(ホン・ファヨン)を選ぶ。ところが、エネルギー開発プロジェクトに関する政府の政治資金が、何者かのハッキングによって紛失。大山グループに疑惑の目が向けられるが、ドンジュはブレイン的存在で元・国家情報院長のヨム・ジャンソン(ホ・ジュノ)の助言により、この危機を乗り切る。しかし、会長の孫娘の挙式の日、ドンジュは人生最悪の裏切りに遭い、一瞬にして何もかもを失ってしまう……。
ここが見どころ!
今回取り上げるのは、パク・ヒョンシクの主演の『埋もれた心』。回を追うごとに視聴率が上がって最終的には15%超え! 瞬間最高視聴率17.9%を記録した復讐サスペンスです。スリリングな復讐サスペンスであり、かつ狂おしいほどの愛を描いた本作は、かつて『花郎<ファラン>』(2017)で共演依頼、親交の深いBTSのV(現在入隊中)のハートも魅了したようで、「この頃『宝島』(原題)を見ています。パク・ヒョンシクさん、かっこいいです」とWeverse(ファンコミュニティプラットホーム)で投稿したほど。
それでは、韓国国内で爆発的人気を呼んだ本作の魅力を語りたいと思います!
※本記事はネタバレがありますので、ご注意ください。
ダークなパク・ヒョンシクの魅力が開花!

葛藤するドンジュ(パク・ヒョンシク)
本作の主人公は、大財閥・大山グループ会長秘書室付きの“常務”ソ・ドンジュ(パク・ヒョンシク)。若くして役員の座をゲットした有能さを持ち、会長からの信頼も厚い男。どんなアクシデントにも冷静に対応し、権力者たちの理不尽な圧力には明晰な頭脳でやり込めるんです。しかも、素敵なオールバックに美しくあつらえられたスーツを身にまといながら! ドンジュから漂う気品と知性。そこにいるだけで、その場にいる人の目を奪う魅力を放っています。
それは仕事限定の話ではなく、恋愛においても。
将来を嘱望されている男だけあって、「会長の孫娘の婿」の座におさまるという野望を持っていたのですが、ドンジュはあっさり放棄。一目惚れした女性ヨ・ウンナム(ホン・ファヨン)との愛を選ぶのでした……ロマンチストすぎる! さらに、実力派の男にありがちな「釣った魚にエサはやらない」のではなく、愛した者には惜しみなく愛を与えて表現するタイプ。公私のバランスもほどよく、大人の男としての色気を備えていて、一言でいえば「理想の恋人像として完璧」です。

恋人ウンナムを抱きしめながら眠りにつくドンジュ
とまあ、ここまでは、『力の強い女 ト・ボンスン』や『ドクタースランプ』、『サウンドトラック #1』など、ロマコメ作品で活躍してきたパク・ヒョンシクのイメージとは大きくかけ離れておりません。しかし、本作のキモはここから!
今作で演じているドンジュは、裏切り、裏切られ、幾度となく命を狙われる超絶ハードな役。笑みを浮かべながら2兆(!)ウォンをハッキングしたり、銃で撃たれて海に沈んだり、敵を銃で脅したりと、視聴者が“一度もお目にかかったことのないパク・ヒョンシク”のショッキングなシーンが満載。毎回、シリアルナンバーを入れないと閲覧できないお宝サイトにアクセスするような特別感がたまりません♡

ワイルドなパク・ヒョンシク!
物語が動き出すのは、仕事も恋も手に入れたと思っていたドンジュが、ある日、最愛の人の裏切りに遭い、大きな衝撃を受けてから。グループの後継者の座を狙う輩や、政界を牛耳る闇のフィクサー、ヨム・ジャンソン(ホ・ジュノ)が、「すべてを知りすぎている」としてドンジュ抹殺の命を出すのです。やがてドンジュは、自分を地獄に突き落とした大悪党を倒すべく、熾烈な復讐ゲームを、全身全霊で仕掛けるのです。
前途有望なエリート役員としての順風満帆な人生から、突如として奈落に落とされたドンジュが、権力者たちを相手に、奪い奪われ、殺るか殺されるか、待ったなし! 安全装置のないジェットコースターに乗っているかのようなリベンジゲームを繰り広げる壮絶な生きざまに手に汗を握らない回などなく、視聴者の感情も乱高下!

ウエディングドレスを纏うドンジュの恋人ウンナム。隣に並ぶのは……。
なお、各回ラスト5分には「どうなってるの⁉」「どうなっちゃうの!」「パク・ヒョンシク大好き!」など、続きが気になって何も手がつかなくなる効果が付いておりますので、ぜひ、一気観での視聴をおすすめいたします。
還暦越えのホ・ジュノとハンバーガーの関係
復讐モノで重要なのは、やはり悪役ですよね。
今回、ドンジュを追い詰める絶対悪・ヨムを演じるのは、かつて”韓国一強面俳優”と呼ばれていた大物俳優ホ・ジュノ。彼は『ホテリアー』(2001)、『オールイン 運命の愛』(2003)、『朱蒙 -チュモン- Prince of the Legend』(2006)『キングダム』シリーズなど、日本でも話題になった作品に軒並み名を連ねる名優。日本でも大ヒットした映画『シルミド SILMIDO』(2004)でも大きな存在感を示していました。

ホ・ジュノ演じる、ヨム・ジャンソン。ランニング姿でワインを持っているだけなのにこの怪しさ!
最近では『なぜオ・スジェなのか』(2022)で「19禁の悪役」と自身の役を評したローファーム会長役を怪演した悪役のプロ。本作でも最後の最後までドンジュの心身を抉り、復讐心を煽りたてたうえで、彼の狂気を一身に受け止めるアンチ・ブロマンスぶりに平伏です……。ハンバーガーを食べる姿に震えたのは、ドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』(2004、アメリカ)以来、自分の人生2度目ですよ……。
現在61歳。還暦を越えてなお、全力で体を張る役者魂にチュンソン!(※韓国の軍隊式の挨拶で“忠誠”。日本の“敬礼”にあたります)

きちんと服を着ている姿もあげておきます
私たちはまだ本当のパク・ヒョンシクを知らない
これまで本作の見どころを語ってきましたが、ぶっちゃけ、パク・ヒョンシクの登場するシーンのすべて、と言えるでしょう。
とりわけ、自分を裏切ったウンナムに対しての描写がすごい。
初回から繰り広げられる濃密なラブシーンの数々。キスのパターンも量もディープさもハンパなく、激しく求め合う姿にクラッ。さらに、パク・ヒョンシクの色気の蛇口は全開なのに品があり、確かな愛の深さを感じてクラッ。この濃厚さが2話以降、ドンジュの悲しみと切なさをより深めていきます。

最愛の人に裏切られて憔悴しても、ドンジュの愛は消えない
また、手ひどく裏切られても、教会のシスターである姉(ハン・ジへ)に「祈ってくれ。彼女が健康であるように、幸せであるように」とお願いするドンジュの一途さにノックアウト! また、幸せだった過去を、大切にしていた彼女を慈しむように、バイオリンをなでるシーンもまたよくて。
人が人を思う際の最上級の愛を示してくれたパク・ヒョンシク沼は深まるばかり。

スマホをいじっていても……

涙目になっても……

記憶を失っても……

砂浜に打ち上げられても……

抱擁するドンジュとウンナム。手放せない愛に切なさが募る
最後にパク・ヒョンシク本人のメッセージをお伝えしてコラムを締めくくりたいと思います。
「本作の韓国の原題は『宝島』というんですね。宝島とは、我々の人生における夢とか目標とも言えるんじゃないかなと思います。奪い、奪われる。どれだけ激しく壮絶な人間模様を描いているのか、ある意味で我々の人生を縮図のように描いた作品じゃないかなと思います」
ゴールデンウイークは本作で、皆さんの中にある埋もれた心……“宝島”を探す旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

猫になりたい
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『埋もれた心』
全16話
出演:パク・ヒョンシク、ホ・ジュノ、ホン・ファヨン、イ・ヘヨンほか
ディズニープラス スターで独占配信中
(C)2025 SBS & Studio S. All rights reserved.

ライター
KAORU
Kカルチャー・旅・お酒・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年数回は海外へ。2025年はソウル、シアトル、ソウルへ。10月25日の台湾LGBTプライドパレード「臺灣同志遊行」にも参加予定。
※初出:MORE(WEB)2024年4月

























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