“忙しくて本が読めない(涙)”を卒業!忙しない日々でも、TPOにフィットした作品なら自然と本に手が伸びるはず。文芸評論家・三宅香帆さんが、通勤電車で読める本・寝る前の5分で満足できる本を愛読書からレコメンド!
通勤電車の20分で読める、仕事スイッチが入る本
「通勤時間って限られているからこそ、集中して読書できる気がします。ヒントや学びの多いビジネス本、弱っているときにモヤモヤを晴らしてくれる本、己の想像を超えた仕事をされている方の作品などをピックアップしてみました!」(三宅さん・以下同)

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職種を問わず役立つ知恵が!
『自分を捨てる仕事術 ー鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッドー』
石井朋彦著 WAVE出版 1760円
著者はスタジオジブリの鈴木敏夫氏の元で働いていたアニメプロデューサー。「個人的に参考になったのはスケジュールの出し方。自分的に“本当はここに決まるといいな”と思う日をまずはピンポイントで提案したほうが、双方がうまくいくと書かれていて納得でした。職種を問わずに役立ちそう」
お疲れモードのときに心に寄り添ってくれる
『カウンセリングとは何か 変化するということ』
東畑開人著 講談社 1540円
臨床心理の現場に携わる著者がカウンセリングについて考察した一冊。「カウンセリングルームでは何を行うのか、心理療法のゴールはどこにあるのかなどを詳細に教えてくれます。働くバイラ世代は心の中にモヤモヤをためがちですが、この本を読むと少し気持ちが晴れるかもしれません」
世界平和に貢献する女性の生きざま
『職業は武装解除』
瀬谷ルミ子著 朝日新聞出版 792円
紛争地で戦った兵士を除隊させ、武器を回収し、社会復帰の援助を行っている女性の自伝的エッセイ。「世の中にこういう仕事があるのか、どうやって働くことになったのかと、その経緯も含めて学ぶことがたくさん。世界の平和のために働く著者の姿に触れると、仕事へのモチベアップに」
寝る前の5分で満足できる、短歌&エッセイ

「私の場合、刺激の強い長編を読むとつい没頭してしまうほうなので、寝る前は区切りがよくて、心が満たされる作品を選ぶことが多いですね。1章ごとに楽しめるエッセイ、短歌といった、シンプルで読みやすい作品を選んでみました」
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働く女性の日々に活力をもらえる
『天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常』
メイソン・カリー著 金原瑞人、石田文子訳 フィルムアート社 1980円
アーティスト、小説家、画家など、創作に打ち込む女性たち143人の日常に触れたエッセイ。「分厚い本ですが、一人の話で約3ページぐらいと短く区切ってあり、すき間時間に読むのにぴったり。様々な職業の女性たちのタイムスケジュールや思いを知ることができ、勇気がわく一冊です」
寝る前に1章ずつ読める、“生活と執筆”についての話
『自分ひとりの部屋』
ヴァージニア・ウルフ著 片山亜紀訳 平凡社 1540円
20世紀前半のイギリスの小説家で知識人としても名高かった著者の、女子学生向けの講演をまとめたもの。「女性は家庭が最優先だった時代。生活をしながら“書く”ことについて語っています。今の時代のSNSやnoteに置き換えてみても新しい発見があるので、普遍的な話なのだと感じます」
現代短歌の研ぎ澄まされた言葉に浸る
『カミーユ』
大森静佳著 書肆侃侃房 2200円
1989年生まれの歌人が詠む現代短歌。「どの歌も胸に迫ってくるようなものが多く、大森さんの視点には驚くばかり。現代短歌は、この何年かでSNSを通じて流行っているんですよね。短い言葉だからこそ伝わる感情もある。忙しいバイラ読者の方にも、この世界観に触れていただきたいです」
撮影/須藤敬一 取材・文/石井絵里 撮影協力/Port tomigaya ※BAILA2026年6月号掲載















































