どこか近寄りがたいのに、深掘りしていくと次々と飛び出すギャップに驚かされる。気がつけば目で追ってしまう、KEY TO LIT 井上瑞稀さんはそんな人。心惹かれる理由をもっと知りたくて、同じ時間を過ごしてみたら――。
井上瑞稀
いのうえ みずき●2000年10月31日生まれ。STARTO ENTERTAINMENT所属 ジュニアグループ・KEY TO LITのメンバー。繊細かつ力強い歌声に定評あり。映画『おとななじみ』やドラマ「なれの果ての僕ら」で主演を務めるなど、俳優業でも注目を集めている。
どんなに褒めてもクールだから
「カッコいい」「可愛い」「歌声が好き」。自分に向けられるポジティブな声はなんでも嬉しいです。ただ、その反面「本当か?」って疑ってしまう自分もいて(笑)。今日も撮影中にスタッフさんたちからたくさん褒めていただいたのに、「仕事だから盛り上げてくれてるのかな」ってネガティブなほうに考えてしまいました。めんどくさい性格ですよね。キャリアを重ねるにつれてダメ出しをされる機会も減ってきたので、調子に乗らないように自分で自分を戒めている部分もあるのかも。でも、ファンの方の褒め言葉は別。そこに愛があることがわかっているから、素直に受け止めて調子に乗れるんです(笑)。
よく一人ですみっこにポツンといるから
自己開示が苦手で、人と一緒にいることでエネルギーを消費してしまう性格。だから、ロケバスに乗ったときは二人がけじゃなくて一人がけの席を選ぶし、楽屋でも端っこに一人でいるほうが落ち着きます。そんな姿をよく目にしているKEY TO LITのメンバーからは「いつも話しかけてほしそうにしてる」って言われるけど、実際は一人でいようとしているだけなんですよね。でも、そうじゃないタイプの人からしたら、たしかに“かまってちゃん”に見えなくもないなって(笑)。一人が好きだからといって、人と話したくないわけではないんです。むしろ、事務所の先輩みたいに話を聞きたいと思った人には自分から質問しますし。もし話す相手がバイラ読者の皆さんだとしたら……。年上の女性に対して自分が何を知りたいのかというデータがないのでしゃべりかけるハードルは上がるけど、気になることがあれば同じように聞けるはず……です。

できないことが多すぎて心配になるから
休みの日はお昼くらいまで寝て、お腹がすいたら出前を頼んで食べて、また寝て、一日中ゴロゴロ。めちゃめちゃつまらない人間です(笑)。料理は、まったくできないですね。洗濯もこまめにするのは得意じゃないので、靴下も下着もタオルも同じものをある程度買っておいて、ストックがなくなったら洗います。たぶん下着だけで15枚くらいあるはず。一般常識がないから、荷物の送り方とかも全然わからなくて。あ、でも最近お金の振り込み方はやっと覚えました!
儚い空気をまとっているのに目には闘志が宿っているから
僕って儚いんですかね? だとしたら、ただ単に細いからじゃないですか?(笑)……と言いつつ、もしかしたら物事にあまり執着しないところも儚さにつながっているのかもしれないです。なのに、そんな僕がアイドルを16年以上つづけてこられたのは、歌やダンスやお芝居で表現ができるこの仕事がすごく好きで楽しいから。根っこがめちゃめちゃ負けず嫌いなので、仕事では誰にも負けたくないって思ってます。表現者でありつづけるために意識しているのは、日々の感情を大切にとっておくこと。幸せな瞬間はもちろん、悲しいことやつらいことがあったときも、体のこわばり方や言葉のつまり方を感じて、もう一人の自分が冷静に「この感覚は歌やお芝居に生かせるかもしれない」って俯瞰しているんです。僕は目標を決めたらそこに最短ルートで行きたくなる人だから、「○年後にこうなっていたい」とかは考えないようにしていて。自分の人生に対していろんな人が介入してきたほうが、想像もしなかった景色を見られて面白い。寄り道も悪くないなって思うんです。
Information
実在のストリッパーであるジプシー・ローズ・リーの回顧録を基にショービジネスの世界を描いたミュージカル『GYPSY』でタルサ役を演じる。東京公演は5月6~24日に日本青年館ホールで上演。地方公演も開催。
ジャケット¥88000・シャツ¥14300/J.プレス & サンズ 青山(J.プレス オリジナルス) その他/スタイリスト私物
撮影/藤川ひな乃 ヘア&メイク/服部幸雄 スタイリスト/井田正明 取材・原文/吉川由希子 ※BAILA2026年6月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。













































