器の中でくるくる。水に浮かべるように生けるとほんのり色っぽい表情に
色の選び方や交互に重ねる本数によってもイメージががらりと変わる
平井 うれしい! 専用の花器ではなく普段使いの器に気負わずちょこんと生けるのは、手軽だし、違った表情になるから新鮮。今日のレッスンの主役になるお花は、春の代名詞・チューリップです。
加藤 身近すぎて、自分では買ったことないかも!?
平井 チューリップの原産は、実はトルコ。17世紀半ばには人気に火がつきすぎて、球根がダイヤモンドと同等の価値を持ったとか。人気ゆえに品種改良もさかんで、今では5000種を超えるといわれています。
加藤 実はロマンあふれる品種だったのですね。
平井 そうです。チューリップを含めた球根植物は水の吸い上げがいいので日もちがするし、状態によって多彩な表情を見せてくれる。ダイナミックに生けてもサマになるし、ひと晩水につけずにおいたものを(数日生けて茎がゆるんだものでも)、大皿のカ
ーブに沿わせ、くるくるさせて生けるのも素敵です。
加藤 この生け方だと普段のチューリップよりもなんだか色っぽい印象。色の選び方や交互に重ねる本数によってもイメージががらりと変わりますね。なにげなく置くだけで、素敵なホテルにいるみたいです!
初心者でもうまくいく!【ちょこっとテク】
他にもある、さりげなく飾るチューリップの楽しみ方
●平井かずみ
フラワースタイリスト。明るく的確な指導ゆえ、自身が開く教室はいつも大人気。近著は写真家の大段まちこさんと料理家の渡辺有子さんとの共著『花と料理 おいしい、いとしい、365日』(リトルモア)。
http://ikanika.com/