「貯める」に加えて「増やす」ことにも意識が向き始めている今の時代。スーパーバイラーズの丸茂さんは「NISA」で資産運用中。そもそも「NISA」って何?知識がなくてもできるの?など素朴なギモンにファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんが答えてくれました。
教えてくれたのは…
ファイナンシャルプランナー
大竹のり子さん
女性のためのお金の総合クリニックエフピーウーマン代表取締役。『これ一冊で安心!投資信託のはじめ方』(ナツメ社)ほか著書多数。
【NISA】年間120万円までの投資額での運用益が、非課税になる制度。
「NISA」とは、少額投資非課税制度のこと。株や投資信託への投資額が年間120万円までの場合、利益に税金がかからない。非課税は5年の期限つきで、専用口座が必要。年間40万円まで投資信託が買え、20年間非課税になる「つみたてNISA」もある。
【Case-1】
丸茂亜未さん(事務職・30歳)
運用期間:2年
月の運用額:不明
運用総額:30万
これまでの利益:5万
「銀行の低金利に危機感を覚えて、勉強の感覚でNISAを利用し始めました」
大学を卒業後、地方銀行に入行した丸茂さん。「そこで銀行の金利の低さを目の当たりにしてショックを受けて(笑)。もっと利率の高い資産運用をしなければと思いました」。とはいえ根が慎重な性格。冒険はしたくなかったそう。「非課税ですし、安定した運用ができそうだとNISA口座を開設して投資をスタート。新規投資の上限は年間120万円までですが、私には充分な額です」
1.わからなかったら投資信託を購入してみる
「株を運用するにはそれなりの知識が必要。私の場合、いきなり自分でやるにはハードルが高いと考え、銘柄選びや売買のタイミングは専門家が行い、少額でも始められる投資信託を購入しました。投資信託にも種類があるのですが、私が選んだのは初心者向けのインデックス型。低リスクで安定した利益が出るといわれるものです」
2.少し慣れたら「テーマ投資」に挑戦しても
「投資信託以外でも資産運用をしたくなった私が挑戦したのは、“テーマ投資”というサービスです。たとえばAI、京都など、自分が興味のあるテーマと投資金額を決めると、銘柄が抽出され、投資金額の範囲内で自動的に株を購入してくれます。最初に投資すると決めた額がそれほど多くなかったので、少額で株式投資の勉強をしている感じです」
3.少額でも余剰資金があればやる価値はアリ!
「最初に投資したのは30万円。独身時代の貯金の、ごく一部だったら運用してもいいかなと思いました。2年間で利益は5万円ぐらいですが、儲けが出たのでやってよかったです。ただしこれ以上冒険をする気はなくて(笑)。最悪、失ってもいい額で、ゆるく続ける投資が私の性格には向いていると思いました」
【NISAのギモンに大竹のり子さんがアンサー】
Q 「5年間の非課税期間」が終わったらどうなるの?
A 今後は未知数だけれども現在の選択肢はこの3つ
「今の状況だと選択肢は3つあります。1つはロールオーバーという制度を利用し、さらに5年の非課税を延長すること。2つ目は売却して利益を確定してしまうこと。3つ目はNISA口座以外の証券口座に購入商品を移動することです。今後、制度が定着すれば、非課税期間が延びる可能性があるかも」
Q 年間でものすごい利益が出たらどうなるの?
A 10万円でも1000万円でも利益に税金はかからない
「NISAでよく誤解されがちなのが、投資額の上限と非課税との関係。確かに1年間の投資額は120万円までと決まっていますが、その投資したお金からの運用益が10万円になっても1000万円になっても、税金はかからないんです。これがNISAが持つ唯一無二のメリットともいえます」
撮影/齊藤晴香 イラスト/藤井昌子 取材・文/石井絵里 構成/斉藤壮一郎〈BAILA〉 アンケート協力/アイブリッジ ※BAILA2019年11月号掲載