インテリア・プロダクトデザイナーとして活躍する森田恭通氏の写真展「In Praise of Shadows - ヴェルサイユ宮殿」を、銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中。ヴェルサイユ宮殿の多彩な表情をとらえた約100点の写真が展示されています。
© Yasumichi Morita/Château de Versailles
国王の居城とされ、ルイ16世の時代にフランス革命が勃発するまで、優雅な宮廷文化の舞台となってきたヴェルサイユ宮殿。現代に至る四世紀もの間、歴史と人々の想像力の中で特異な位置を占め、アーティストやクリエーターをはじめ、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。
森田恭通氏は、数年にわたりヴェルサイユ宮殿を度々訪れ、四季によって異なるニュアンスをもたらす陽光にこだわりながら、黄金と光の煌めきに満ちたバロック建築の傑作をモノクロ写真に収めてきました。本展では、独自の審美眼でとらえたヴェルサイユ宮殿の多彩な表情を、光と影、表と裏、地上と地下といった様々な対比を交えながら、約100点の作品を通して紹介します。
© Yasumichi Morita/Château de Versailles
国王が変わるたび、その権力を誇示するように塗り替えられたディテールが絡み合い、層となっているヴェルサイユ宮殿。森田氏は時代を経るごとにミニマムになっていくデザインを追い続けました。贅の象徴であった噴水の地下に眠る貯水槽、マリー アントワネットが愛した荘厳なオペラ劇場の下に隠された木造構造など、通常は入ることができない舞台裏にも足を踏み入れ、途方もない栄華の痕跡を丁寧に切り取っていきました。
真夜中を除き、ほぼ自然光で撮影されたその作品群は、刻々と変化する光に映し出された“陰”としての人間の業を捉えているかのよう。谷崎潤一郎の同名の随筆にちなんで「In Praise of Shadows(陰翳礼讃)」 と題された本展に寄せ、森田氏は「どの時代にも変わらない人間の“光と陰”を写すために、ヴェルサイユ宮殿ほどふさわしい空間は存在しない」と述べています。
© Yasumichi Morita/Château de Versailles
「In Praise of Shadows - ヴェルサイユ宮殿」 森田恭通 写真展
会期 2023年9月27日(水)〜11月5日(日)
開館時間 11:00〜19:00(最終入場18:30)
入場無料・会期中無休・予約不要
会場 シャネル・ネクサス・ホール
中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
主催 シャネル合同会社
協力 ヴェルサイユ宮殿