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美容ジャーナリスト鵜飼香子さんは雑誌編集部から独立し、好奇心のままにMBA取得へ【未来へ繋がるあの人の学び④】

学びって実は大人になるほど楽しめるもの。そう教えてくれるのは、一歩先をゆく同年代の女性たち。美容ジャーナリストとして活躍中の鵜飼香子さんは、雑誌編集部から独立したあと、ビジネススクールに通いMBAを取得。現在は“コオロギ食”に熱心に取り組んでいるそう。

MBA取得に通ったビジネススクールでの出会いが、第2の人生の扉を開けた

MBA取得に通った  ビジネススクールでの出会いが、 第2の人生の扉を開けた

History
2016:雑誌編集部から独立
2019:ビジネススクール入学
2021:MBA取得、卒業

鵜飼香子さん

鵜飼香子さん


うかい きょうこ●会社員を経て美容雑誌『MAQUIA』で'04年の創刊からエディターとして活動。'16に独立し、美容ジャーナリストとして多数の女性誌や広告などで活躍。2児の母。

経験が一周まわったと感じたとき、違う道を探し始めた

「美容雑誌のエディターとして働き始めてから13年目、世間ではよく“トレンドは一周する”と言いますが、私がそれを体感したのがそのときで。ワンサイクル経験した今、2周目に突入する前に違う道を探したいと考えるようになったんです」

美容の世界で活躍していた鵜飼さんが、早稲田大学ビジネススクール(WBS)に通い経営管理修士(MBA)を取得。畑違いとも思える世界に飛び込んだきっかけは書店で出会った一冊の本だった。

「それまでも仕事を通じて知り合った会社の方々からブランドマネージングの相談を受けることが多かったんです。エディターとしての経験から、売れるものやトレンドは感覚としてはわかる。でも、それをロジカルに説明する力が私にはなくて。“右脳”ではなく“左脳”で考え伝える力が足りないのかも、そう思っているときに出会ったのが、WBSで教鞭をとっている内田和成さんの『右脳思考』という本で。“右脳派の自分にビジネスは無理かもしれない”とあきらめていた学びへの好奇心をかき立ててくれたんです」

自らを「好奇心旺盛で後先考えずに行動するタイプ」と分析。受験を決めたのは入試の1カ月前。そして「好きなものにはトコトンのめり込む」性格に突き動かされ見事に一発合格。しかし、入学してからがとても大変だったそうだ。

「途中から新型コロナウイルスの影響で授業はオンラインになったのですが、それまでは9時から16時半まで教室で座学。家庭と仕事を両立させながら大量の課題にも向き合わなければいけない。特に必修科目を学び終えた2年目は好きな授業を詰め込みすぎて睡眠時間は平均3時間。自分で選んだ道ではあるものの、泣きたくなるほどハードな毎日でした」    

同じ景色を眺め続けるより知らない海に飛び込んでいたい

好奇心も知識欲も旺盛な鵜飼さん。そんな毎日も「楽しかった」と振り返る。

「授業や講義はもちろんのこと、普段は出会えない人たちに出会えたことが私の中では大きくて。WBSには異業種の方々や留学生が通っていて、教室に集まる生徒は年齢も国籍もバラバラでとてもグローバル。その出会いは自分のいる世界がまだまだ小さいことを教えてくれ、私の視野をグンと広めてくれたんです」

学校で手に入るのは知識だけではない。夢や目標に向かい突き進む仲間に出会い刺激をもらえるのも学びの魅力。実は今、そんな仲間と組んでコオロギビジネスを計画中。「WBSがセカンドチャンスの扉を開けてくれた」と笑顔で語る。

「WBSで学んだことで環境への意識が高まり、そこで目に留まったのが昆虫食。コオロギは環境負荷をかけずに育てることができ、良質なタンパク質を摂取することもできるんです。肝心の味も美味しくて。揚げればまるで居酒屋さんで出てくる海老の素揚げのようですし、おだしはまるで関西風。鶏ガラよりも繊細でまろやかなコクが出るんです。そんなコオロギを浸透させるべく、国内外の論文を片っ端から読みエビデンスを集めたり、カンボジアでコオロギを育てる理工学部のチームを紹介していただきセッションを重ねたり。そこでもWBSで培った人脈に助けられているんです」

今の夢はコオロギを手軽なスナックフードとして定着させること。「いずれは給食に出るような存在にしたい」と語る。

「今はまだ道半ば。それを現実に変えるにはいくつもの壁を乗り越えなくてはいけない。でも、まだ見ぬその壁も楽しみだったりするんです。人生は一度きり、同じ景色を眺め続けるよりも、私は知らない海に飛び込んでいたい。計画性がないのが私の欠点ではありますが、学びにおいては長所だと思っています。身軽に勢いで動くことができるので。自分の中でやりたいことを温め続けても何も変わらない。行動を起こすことが大切。失敗もいずれ自分の財産になりますから‼」

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撮影/目黒智子 取材・原文/石井美輪 ※BAILA2022年2月号掲載

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