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【リモートワークのもやもや解消】これって監視...? リモートハラスメント、どう対処すればいいですか?

リモートの職場で起こる人間関係疲れは、原因と対処法を知って脱却しよう! ニュースでも話題となったリモートハラスメント=“リモハラ”への対処法を、ハラスメント対策専門家の山藤祐子さん、公認心理師の山名裕子さん、㈱テレワークマネジメント代表取締役の田澤由利さんに教えてもらった。

何がハラスメントにあたるかをまずは知ることから【リモートハラスメント編】

リモハラ防止のためハラスメントの知識を持ち運用ルールの明確化を

リモハラの定義とは、「リモートワークで起こるハラスメントで、主にパワハラとセクハラに分類されます」と山藤さん。「たとえばパワハラの例では『在宅勤務だから残業代を払わなくていいだろう』、セクハラの例では『部屋の中をもっと見せて』など、仕事上の優越的な関係を背景にした、業務上必要でも相当でもない職場環境を悪化させる言動が挙げられます。本人の主観だけですべてが法的ハラスメントに該当するわけではありませんが、リモートワークではコミュニケーションの不和から誤解が生じやすく、対面よりハラスメントが増えることも。リモートワークの運用ルールの明確化により迷いを減らすことができれば、ハラスメントの防止につながります」

何がハラスメントにあたるかをまずは知ることから

Q 会社のルールが厳しすぎて監視されていると感じるときどうすれば?

山藤さんA 度を越えていると感じる場合は監視の必要性を確認し話し合いを
「基本的には、従業員は会社と労使契約を結んでいますので、『監視されているようでイヤだ』と感じても、会社が業務上必要と考えるならば守らざるを得ません。ただ、必要なのは本人の監視ではなく業務の管理なので、『度を越えている』と感じたときは改善策を示して、管理する側とされる側の認識のズレを話し合うとよいですね」(山藤さん)

Q リモートワークで正当な評価を受けてないなと感じたときは?

山藤さんA 社内の基準値を見える化するため業務分担表を作りましょう
「業務分担表を作成するとお互いが何の仕事をどこまでやっているかが見え、仕事量やスピードの評価基準値が明確になります。リモートで見えない部分を見える化した上で主張すると、説得力が生まれます」(山藤さん)

山名さんA 不満ではなく不安として伝えると攻撃性が出にくく相手の理解を得られる
「『不満です』ではなく『不安なのでこれを希望します』と言い方を変えると相手の理解を得やすくなります」(山名さん)

Q 画面越しにセクハラを受けそうなときどう切り抜けるのがいい?

山藤さんA 感情的ではなく不快に感じることを相手に冷静に伝える
「『セクハラですよ!』と感情的に言うと相手も感情的になる可能性があるので、『そんなふうに言われると嫌な気分になるので仕事の話に戻していいでしょうか』と伝えられるといいですね」(山藤さん)

山名さんA 反発的な態度は逆効果毅然とした態度で丁寧に対応を
「セクハラをする人のなかにはリアクションを面白がる人もいるので、ダメージを受けてるように見せずに淡々と丁寧に対応を」(山名さん)

Q カメラオフを希望する人にオンにするようお願いするのはリモハラ?

山藤さんA 業務上の必要性相当性があればリモハラには該当しません
「まずはリモハラの知識を確認しましょう。リモートワークにおけるパワハラは、業務上の必要性相当性を越えた人格を否定する言動。セクハラは、相手の意に反する性的な言動を指します。以上を踏まえて『今回の打ち合わせは、皆さんの状況や体調もお聞きしたいのでカメラオンにしてください』とお願いすれば大丈夫です」(山藤さん)

Q 対面重視の考え方の上司にリモート業務をすすめるには?

田澤さんA 社外からのアクションが効果大研修などの導入を人事部に提案しては
「内部からの提案に加えて外部研修をきっかけに新しい制度や知識を導入した企業も多いので、人事部に研修を提案するといいかもしれません。業種にもよりますが、日本は少子高齢化による労働力不足の問題があり今後ますます働き方改革も進んでいくので、コロナ後もリモートワークはさらに拡大していくと思います」(田澤さん)

教えてくれたのは
山藤祐子さん

ハラスメント対策専門家

山藤祐子さん


自身のハラスメント経験を生かした、ハラスメント研修専門講師として、年間150日以上登壇。キャリアコンサルタントとしても活躍。

田澤由利さん

㈱テレワークマネジメント代表取締役

田澤由利さん


㈱ワイズスタッフ、㈱テレワークマネジメント代表取締役。企業へのテレワーク導入支援や国や自治体のテレワーク普及事業を実施。

山名裕子さん

公認心理師

山名裕子さん


「やまな mental care office」を開設し、心の専門家としてストレスケアからビジネスまでカウンセリングを行う。メディアでも広く活躍。

イラスト/大窪史乃 取材・原文/佐久間知子 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2021年9月号掲載

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