働きながら英語を身につけたファッションブランド販売員 鈴木さんの体験談を取材。効率のよい学び方から、仕事との両立、維持するコツまで、参考にしたい秘訣がいっぱい!
楽しく続けられることなら何でもOK! 海外ドラマやポッドキャスト、アプリなどをできるときに取り入れています
海外旅行が好きで、コロナ前は頻繁に世界各国を訪れていたという鈴木さん。24歳のときに訪れたハワイで出会った友人と、コミュニケーションをとりたい一心で英語を学ぶように。
「夜道を歩いていたときに、心配して声をかけてくださったのが出会い。当時の私は片言ながら、不思議と雑談が弾みまして。再会を約束し、連絡を取り合うようになったんです。現地でジャーナリストとして活躍する彼は、会話がうまく、内容も興味深かった。彼の話をきちんと理解し、意見できるようになりたい!と強く感じました」
大学は語学の授業がなく、英語を学ぶのは受験勉強以来。もともと英語が得意ではなかったため、「楽しめないと続かないだろうな」と直感したそう。
「高校時代の教科書を引っぱり出して読んでみると意味は理解できたので、いちばんの課題はリスニングだと判断。高校時代、『スター・ウォーズ』シリーズにハマって繰り返しシャドーイングしていたら、英語の成績が急激に伸びたことを思い出して(笑)。海外ドラマ観賞からスタート。字幕を英語に変えて、スペリングと発音を照らし合わせながら見ていました。
また、帰国子女や留学経験のある友達に頼んで外国人と集まる会に呼んでもらい、そこをアウトプットの場に。ハワイの友人とのこまめなメール交換もいい勉強になり、毎年ハワイを訪れるたびに、成長を実感できました。日本の文化や神道について説明する、お互いの家族について話すなど、うわべじゃない会話ができたときの達成感と感動は、忘れられません!」
妊娠・出産を機に勉強を一時中断し、復帰後は外国人観光客が多数来店する現在のショップ勤務に。着々と英語を取り戻すなか、コロナの打撃が……。
「英語で接客し、わからないことがあれば、語学堪能な同僚に教えてもらう。働きながら学べる環境のおかげで、幼い娘の子育て中も継続できていましたが、コロナ禍で外国人の来客が激減。ハワイにも行けず、2年間で英語をすっかり忘れてしまったんです。自分にとって、モチベーションとアウトプットすることの大切さを痛感しました」
外国人観光客が増え始めた2022年、勉強を再開。鈴木さんが継続するために欠かせない「楽しめる」ことを軸に、家事とのマルチタスクやスキマ時間を活用しながら、以前にも増して精力的に学んでいる。
「家事をしながら海外ドラマを観たり、英語のポッドキャストを聞いたりするほか、宿題をする娘と一緒にドリルを解き、通勤中はアプリを使って勉強するのがルーティン。最近は環境問題への関心が高まっていて、海外の豊富な文献を読むために、リーディングを鍛えています。英会話の最大の魅力は、人の輪とともに知識が広がるところ。ハワイの友人と再会し、いろんな話をできる日が待ち遠しいです!」
学生時の英語レベル 片言で会話できる程度
現在の英語レベル 難なく接客ができる
英語勉強ヒストリー
24歳 | 旅行先のハワイでできた友達と | ||
▼ | |||
31歳 | 妊娠を機に英語の勉強を中断 | ||
▼ | |||
32歳 | 外国人の来客が多いブランドに配属され、 | ||
▼ | |||
35歳 | コロナの影響で英語の勉強を中断 | ||
▼ | |||
37歳 | 外国人旅行客が増えて、英語の勉強を再開 | ||
鈴木さんの学習方法
マルチタスク&スキマ時間の活用で効率よく学ぶ!
「今ハマっているドラマは『ザ・クラウン』。接客で使っても失礼のない、堅めの英語が高ポイント。5文型さえ押さえれば会話はできると聞き、中学英語のドリルを始めました」
5:30 | 出社前に夕食の下ごしらえをしながら | ||
7:00 | 娘の英語の勉強時間に合わせて |
8:00 | 通勤電車でDuolingoアプリを活用 | ||
19:00 | ポッドキャストを聞きながら家事 |
同じ本を英語と日本語で読み比べ、目でシャドーイング
「“こんまり”こと近藤麻理恵さんの著書。章ごとに日本語→英語の順で読むと、内容がすっと理解でき、英語独特のニュアンスを文章に取り入れるテクニックも身につきます」
コレで英語が話せるように!
1. 恥ずかしがらずに聞く!
「知らないことを恥じずに、どんどん聞いて解決しています」
2. 興味のある分野から触れる
「趣味として楽しめることなら、飽きずに続けられます!」
3. 日常のスキマ時間を使う
「仕事や子育てと勉強を、ストレスなく両立するコツです」
ファッションブランド販売員
鈴木麻子さん (37歳)
大学で栄養学を学び、海外でも高い人気を誇る日系ファッションブランドに就職。不動産会社に転職した5年後、同ブランドに再入社。
撮影/井手野下貴弘 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年2.3月号掲載