効率よく英語を学ぶコツから、仕事との両立、維持する秘訣まで。働きながら英会話を身につけた、スーパーバイラーズの坂本 愛さんにインタビュー。
日本人に合った勉強法で、苦手だったリスニングを克服! 外国人の同僚と難なくコミュニケーションをとれるように
坂本さんが英語を学び始めたのは、大手日系企業に就職した1年目。男性が主導権を握る古風な職場環境に疑問を抱き、「グローバルに活躍できる人材になりたい」と思ったのがきっかけだそう。
「自ら希望した海外のエンジニアと関わる部署に配属となり、海外の人と触れ合うなかで、語学力があればグローバルに働くチャンスが増えると実感。英語を強化しよう!と決意したものの、大学では理系の学部を専攻していたために語学の勉強法がわからず。深く考えずにTOEIC対策の参考書を購入。コツコツ勉強を続けましたが、まったく上達しませんでした」
転機となったのは、中国での駐在経験。日本語と類似性のある北京語は圧倒的に吸収しやすく、日本語とかけ離れた英語を学ぶためには、学び方を根本から改めないといけない!と気づく。
「テキストで勉強すれば単語の知識は増えますが、実践では聞き取れず、正しく発音することもできない。それでは意味がないので、リスニングに力を入れることにしました。帰国後、外国人教師による英会話レッスンをいくつか受けていましたが、まったく聞き取れずに大苦戦。すると先生の一人から、日本人から学んでみては?と提案を受けて、英語音声学に精通する河野太一先生の塾に通い始めました」
日本で英語を学んだ経験を持つ河野さんの指導のもと、ディクテーションとシャドーイングを徹底して行ったところ、リスニングだけでなく、スピーキングまでもメキメキと上達!
「日本語を母国語とし、英語を感覚的にではなく、きちんと分析して習得した先生の指導は、まさに私が必要としていたもの。週2回受けていたレッスンは、目からウロコが落ちる知識の連続でした!個人的に最も効果的があったのは、日本語にない英語独特の「母音」「子音」の音の学習。英語の音声を0.5倍速で聞きながら音声解析、シャドーイングをする練習をしたことで、文字で覚えていた単語が耳でも聞こえるようになり、発音の再現性も高まりました」
塾に通っていた1年間の勉強量は、日々1.5〜3時間。「あえてモチベーションをつくらないこと」が、継続するための秘訣だという。
「目的が達成されたときに、やる気を失ってしまいそうなので。日本語母語話者の英語習得は、下っているエスカレーターを上るようなもの。同じペースで学び続けないと維持できないため、歯磨きのように習慣としてとらえています。塾をやめてからは、外国人の同僚が作ったレジュメを読み込んでインプットし、外国人エンジニアと英語で話してアウトプットするのが日課です。2023年はオンラインで受講できる海外の大学院に進学するのが目標。河野先生のレッスンを再開し、TOEFL対策の勉強をしています」
自身の経験から、「大人の語学勉強は、絶対に日本人から学ぶべき!」と坂本さんは断言する。
「筋肉の構造を理解して行う筋トレの効果が増すのと同じように、言語もまた、単語や文章の構造を理解することでリスニングやスピーキングを効率よく習得できると学びました。英語の構造を、日本人にわかりやすく言語化して説明できるのは、同じ日本人ならでは。英語の勉強を挫折した経験がある人も、ぜひ試してみてほしいです!」
学生時の英語レベル TOEIC 700点
現在の英語レベル TOEIC 950点、TOEFL 102点
英語勉強ヒストリー
20歳 | 就活のためにTOEICの勉強を始める | ||
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22歳 | グローバルに働くことを目指し、 | ||
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23歳 | 赴任先の中国で、語学習得の極意を知る | ||
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25歳 | 中国から帰国し、日本人教師による塾に通い始める | ||
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26歳 | TOEICのスコアが950点を突破! | ||
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27歳 | 塾を中断し、独学で勉強を継続 | ||
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30歳 | 海外の大学院で学ぶために、TOEFLの勉強をスタート | ||
坂本さんの学習方法
リスニングと発音の訓練にはアプリ&iPadを活用
「英語の音声を聞きながら、iPadの『Good Note』で英文に発音記号を記入。」
「発音をしっかり聞き取るために、『Audipo』というアプリで再生速度を0.5〜0.7倍に設定しています」
ランチタイムなどの空いた時間に単語を暗記
「意味が書かれた部分を紙で隠し、わからなかった単語の横に消せるペンでチェック。次回はチェックがついた単語のみを解きます。パッと思い出せないと活用できないため、100単語15分のペースで進行!」
コレで英語が話せるように!
1. インプットの質を高める
「英語の構造から学ぶことで、理解度も効率も上昇しました」
2. アウトプットの量を増やす
「英語で話す機会を増やすべく、部署異動や海外出張を志願」
3. 5割くらいの自信で、環境に飛び込む
「英語を使う環境に入ってしまえば、自然と成長できます」
IT企業人事担当 スーパーバイラーズ
坂本 愛さん (30歳)
新卒で大手通信事業者に入社。グローバルに活躍できる人材を目指して英語を学び始める。4年目でIT企業に転職し、世界各国に点在するエンジニアの組織人事戦略を行う。
撮影/nae. 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年2.3月号掲載