良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第102回は、「なぜ、わかっていただけないのですか?」。

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■「なぜ、わかっていただけないのですか?」がNGなのはなぜ?
議論や話し合いがなかなか進まない場合、どのような対応をするのがいいでしょうか?
ひとつはっきり言えるのは、相手への不満の気持ちをぶつけて、「なぜわかっていただけないのですか?」「私の話をわかってもらえないようですね」と感情的になると、ますます険悪な雰囲気になって揉めてしまうということです。
「なぜあなたはわかってくれないの?」という言い方は、相手が主語の”ユーメッセージ”。相手を責めて変えようとする意図が伝わるため、一気に不快感が高まります。「そっちこそ、こちらの言い分がわかってないじゃないの!」とバトルが始まることになりかねません。
■言いかえるならこれ!
相手と自分の主張がかみ合わないとき「なぜ、わかっていただけないのですか?」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「私はこのように理解していただきたいのです」
が正しい!
自分を主語にした”アイメッセージ”で伝えたほうが、相手が受け止めやすい。
■さらに上手に使うには?
1分でも早い解決を望むなら、相手を責めるのではなく、こちらの意向を伝えることが大切です。
相手に協調してもらって理解をうながすためには、自分を主語にした”アイメッセージ”で、「私はこのように理解していただきたいのです」と言ったほうが、相手に伝わりやすくなります。
自分の思いを伝えつつ、「あなたはどう思っているの?」と相手の意見に耳を傾けることが、信頼につながります。結果的に、一方的に相手を責めるようり相互理解を促したほうが、自分も相手もハッピーになれるのです。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子