良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第98回は、「悩みとかなさそうですよね」。

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■「悩みとかなさそうですよね」がNGなのはなぜ?
悩みがないことは、とてもいいことです。けれども、「悩みがなさそうに見える」「何があっても怒らなそうに見える」と他人から言われると、複雑な気分になりませんか?
誰でも、悩みのひとつやふたつくらいあるもの。嫌なことがあれば腹も立てます。それがまったくない人間というのは、能天気か鈍感で何も考えていない人間のようで、ほめ言葉どころかマイナスの意味で受け取られやすいのです。
「気楽でいいよね」という皮肉にも聞こえ、人によっては、バカにされたと思って傷つくかもしれません。
■言いかえるならこれ!
ほめ言葉でも「悩みとかなさそうですよね」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「いつも元気そうだね」
が正しい!
「悩みがなさそう」には「能天気で鈍感そう」というニュアンスがあるので注意。
■さらに上手に使うには?
いつも明るく元気な人にプラスの印象を伝えたいのであれば、「いつも元気そうだね」と、そのままの言葉で伝えたほうが誤解を招きません。
いつも笑顔で穏やかな人には、「〇〇さんって、いつも穏やかで笑顔が素敵ですよね」と、やはり思ったままを口にしたほうが、真っすぐ伝わります。
そういう人がうらやましいのであれば、「何があってもくよくよしない○〇さんといると元気になります。私も見習いたいです」と気持ちまで伝えると、相手も、「本心で言ってくれているみたい」と、いい意味で解釈してくれるもの。
実際はどうなのかわからないことを邪推するような言い方は避けましょう。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子