良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第97回は、「やる気ある?」。

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■「やる気ある?」がNGなのはなぜ?
誰かを注意したいとき、どんな言葉をかければ、本人がやる気になるでしょうか? イライラしているとつい、「やる気あるの?」「もっと早くできないの?」などと言ってしまう人もいるかもしれません。
しかしそれはどれも、「なんで真面目にできないの?」「なぜそんなに仕事が遅いの?」と相手を責めているのと同じ。もしもそれが事実で相手に非があるとしても、言われたほうは素直に受け止めにくいものです。
相手から迷惑をかけられたり、自分にも影響が出ていたりするとよけいに、理性より感情が先走って、責めたり、問い詰めたりしたくなるかもしれません。
そういうときほどパワハラになりやすいので、慎重かつ冷静に対処する必要があります。たとえ自分が正しいとしても、相手に威圧感を与えて責めるように言うのはNGなのです。
■言いかえるならこれ!
部下や後輩を注意したいとき「やる気ある?」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「仕事の調子が悪いみたいだけど、話を聞こうか?」
が正しい!
やる気を引き出すためには、自分の視点で気遣いを。
■さらに上手に使うには?
言いかえる場合、「最近、仕事のパフォーマンスが落ちているように見えるけど、何か困っているの?」というように事例性にフォーカスして話をするといいのではないでしょうか。
相手のせいで自分が困っているときは、「指定期日までにあなたの仕事が終わらず、責任者の私は非常に困りました」と「事実」を伝えてください。
ポイントは、先に「事実」を言い、「感情」は後で伝えること。この順序が鉄則です。この順序が逆にならないように気をつけて、そして、どうすれば改善できるかまで話し合うことが大切です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子