良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第96回は、「最近お目にかかれなかったので、体調でも崩されているのかと心配していました」。
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■「最近お目にかかれなかったので、体調でも崩されているのかと心配していました」がよけいなひと言なのはなぜ?
久しぶりに会った人に「ずいぶん会えなかったから心配していました」、「最近、連絡がなかったから体調でも崩されているのかと思っていました」と言われたら、気分がいいでしょうか。
責められているようで気分が悪くなる人もいるかもしれません。「せっかく会えたのに人を病人扱いするなんて」と抵抗感を覚える人もいるのではないでしょうか。
また、久しぶりに連絡をくれた相手に対して、つい言ってしまいがちなのが、「私も連絡しようと思っていたところだった」という言葉。
この言葉には、「こちらから連絡しないで申し訳ない」という気持ちが含まれているとは思うのですが、そのため言われた相手は、「じゃあなんで連絡をくれなかったの?」と不快になりがちです。
■言いかえるならこれ!
「最近お目にかかれなかったので、体調でも崩されているのかと心配していました」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「久しぶりにお目にかかれてうれしいです」
が正しい!
相手を責めるより自分の気持ちを伝えて
■さらに上手に使うには?
久しぶりに会った人には、よけいな気遣いは抜きにして、「久しぶりにお目にかかれてうれしいです」と喜びの気持ちをストレートに伝えるようにしましょう。
相手から連絡をもらった場合、「連絡をもらえてうれしい、ありがとう。元気そうでよかった」と感謝を伝えると、言われたほうも悪い気はしません。「連絡をしてよかった」と気持ちよく会話ができるのではないでしょうか。
お互いに笑顔で気持ちよく挨拶を交わせたら、その後のやりとりもスムーズに進むもの。プラスの表現は、人間関係によいスパイラルを生み出します。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子