良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第91回は、「そういう仕事は苦手です」。
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■「そういう仕事は苦手です」がよけいなひと言なのはなぜ?
誰でも、得意なこともあれば苦手なこともあります。それもひっくるめて、やるべき業務を遂行するのが、働いてお金をいただくということ。
好き嫌いや、得意不得意を理由に、「そういう仕事は苦手なんです」と最初から拒否するのは、社会人として不適切です。やる気がない人だと思われる可能性もあります。
なかには「私って〇〇が苦手じゃないですか?」と甘えた言い方をする人もいます。こういう人は、「自分をわかってほしい。認めてほしい」という承認欲求が強い傾向があります。
■言いかえるならこれ!
「そういう仕事は苦手です」というのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「その仕事は自信がないので、サポートをお願いできますか?」
が正しい!
得意・不得意で仕事を選ばない。できないことは相談を。
■さらに上手に使うには?
スキルや経験不足で自信がない仕事を頼まれて、どうしても不安なときは、「自信がないのでサポートをお願いできますか?」と相談してみるといいと思います。その際、「何ができて、何ができないのか」を具体的に伝えると、相手も必要に応じて対処しやすくなります。
自分で仕事のハードルを下げることで、何かできたときに「よくがんばったね」とより高い評価を得たい気持ちがある人もいるかもしれません。けれども本当に信頼される人は、「できないことがあってもがんばりたい」というやる気を見せます。その上で、わからないことは聞いたり、周りに迷惑をかけない方法を相談できたりする人が、どんどん成長できるのです。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子