良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第89回は、「なぜ連絡してくれなかったの?」。
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■「なぜ連絡してくれなかったの?」がNGなのはなぜ?
部下と連絡が取れないなど、相手が自分の思い通りに動いてくれないときや、期待に応えてくれなかったとき、「なぜ連絡してくれなかったの?」「なぜやってくれないの?」などど責めたことはありませんか?
この場合、「なぜ~?」と相手に怒りをぶつけて高圧的になればなるほど、関係性は悪くなってしまいます。どんな些細なことでも、自分の主観や感情を押しつける言い方はNG。相手に苦痛を与えて逆ギレさせる可能性もあります。
■言いかえるならこれ!
連絡が取れなかった相手に「なぜ連絡してくれなかったの?」というのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「困っていたから連絡してほしかった」
が正しい!
他人が自分の思い通りに動かないのは当たり前。
■さらに上手に使うには?
自分が言われる側の立場になって考えてみてください。「なぜ連絡してくれなかったの?」と問い詰められるのと、「連絡が取れず困っていたから連絡してほしかった」と気持ちを伝えられるのとでは、受け取り方がまったく違いますよね。
前者には、「こっちだって忙しかったんです」などと言い訳したくなると思います。でも後者のように言われて、自分せいで相手を困らせてしまったと思うと、「申し訳ありませんでした。次からは早めに連絡します」と素直な返事をしやすくなります。
感情のぶつけあいは、お互いストレスが溜まるだけ。まず冷静になって、「自分は」どう思って、「自分は」どうしてほしかったのか、自分視点の”アイメッセージ”で気持ちを伝える習慣を身につけることが、最善策につながります。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子