良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第84回は、「反省してもらわないと困る」。
fizkes/shutterstock
■「反省してもらわないと困る」がよけいなひと言なのはなぜ?
部下がミスや失敗をしたら、関係者にお詫びをしたり、やり直しの指示を出したいりといった対応も含めて、上司が責任を取らなければならない場面は多いものです。
「なんで自分が部下の尻ぬぐいをしなきゃいけないんだ」と思う人もいるかもしれません。しかも、当の本人に反省の色が見えなければ、「人に迷惑をかけているのに平気な顔をして」と頭にきてしまうでしょう。
そんなときに思い出してほしいのが、「過去のネガティブな出来事を蒸し返す言葉は、すべてよけいなひと言」というコミュニケーションの基本原則です。
■言いかえるならこれ!
トラブルを起こした部下に「反省してもらわないと困る」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「今後こういうトラブルが起こらないように話し合いましょう」
が正しい!
自分のミスを反省しない人はいない。相互理解をうながす声かけを。
■さらに上手に使うには?
ミスや失敗をして、真っ先に反省をしているのは本人です。見た目にはそう感じられなくても、本人がいちばんわかっているはずです。周りがその痛みに追い打ちをかけると精神的につらくなり、ますますミスが増える人もいます。失敗を責めた上司がそばに来ただけで緊張する、具合が悪くなる、という人もいるほどです。
そのような悪循環を招かないためには、「今後こういうミスが起きないようにどうするのかを話し合いましょう」と、相互理解をうながす声かけをしてください。
それだけでは学習しないかもしれないと不安に思う場合は、「次から同じ失敗を繰り返さないための対策を考えて提案してください」と指示したうえで、具体策の共有をはかることを意識しましょう。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子