良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第81回は、「ご理解いただけましたでしょうか?」。
Prostock-studio/shutterstock
■「ご理解いただけましたでしょうか?」がNGなのはなぜ?
相手からの質問や確認事項に返事のメールをお送りする際、結びの言葉として、「ご理解いただけましたでしょうか?」といった表現を使ったことはないでしょうか。
特に相手がわからないことや困っていることに対して回答した場合、この結びの言葉は「これであなたは理解できましたか?」と相手を見下した上から目線の言葉でとても失礼ですから、言われたほうは大きな不快感を覚えるでしょう。
また、理解できたかできなかったかを問うのは、「イエスかノー」でしか答えられない”クローズドクエスチョン(閉ざされた質問)”ですから、相手を問い詰めて気まずい雰囲気にしてしまいます。一方的なマイナスイメージを相手に与えてしまうことにつながります。
■言いかえるならこれ!
「ご理解いただけましたでしょうか?」と相手に確認するのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「ご不明な点がございましたら、何なりとお問い合わせください」
が正しい!
「理解できましたか?」は相手を見下した上から目線の言葉。
■さらに上手に使うには?
このケースの好かれるひと言は、「こちらの説明が不十分で何かご不明な点がございましたら、なんなりとお問い合わせください」という一文です。
このように言いかえると、「わからないことがあればまた相談しよう」と思えるので相手は安心感があります。また、「こちらの説明が不十分で」という言葉を加えると、自分を立ててもらっていると感じて相手が気持ちよくやりとりできます。
その後で、「おかげさまで理解できました」と返事があったら、「それは何よりでした」「お役に立ててうれしいです」と返しましょう。「それはよかったです」と書くと、また「良い、悪い」で相手を評価する態度になるので、気をつけてくださいね。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子