良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第82回は、「みんながこう言ってますし」。
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■「みんながこう言ってますし」がNGなのはなぜ?
子どもはよく「みんなが言っているよ」「みんなが持っているから買って」と言います。なぜなら、本当は自分の主張したいことでも”その他大勢”を巻き込んで、それが正しいことのように思わせたいから。また、子どもは自分の意見に自信がなく、自己主張に説得力を持てないからです。
しかし、「みんな」を枕詞のようにつける表現は「一般化」と言われ、逆に説得力に欠ける話になってしまうのです。
「普通は」も似た言葉。「普通は」「みんなは」をよく使う人は、「普通って何?」「みんなって誰?」と相手に思われて”半信半疑”で話を聞かれてしまいます。
■言いかえるならこれ!
「みんながこう言ってますし」と主張するのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「私はこう思います」
が正しい!
意見を言うときは「自分」を主語にするのが基本。
■さらに上手に使うには?
自分の意見に耳を傾けてほしいなら、「私はこう思います」「私の考えはこうです」と単刀直入に言ったほうが、真っ直ぐ相手に伝わります。
もしも実際に、自分と共通意見の人がいるのなら、自分の意見を伝えたうえで、「〇〇さんと△△さんも同意見です」と具体的な名前をプラスすれは説得力が増します。
自己主張するときは、自分の思いや考えを自分自身で把握できなければ、人に伝えることはできません。
それができずに、あるいは自信がなくて、ついつい「みんなは」「普通は」と枕詞のようによけいなひと言を加えてしまう人は、「私」の立場ではっきりものを言うことを意識しましょう。それができると、耳を傾けてもらいやすくなると思います。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子