良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第79回は、「それはちょっとわかりません」。
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■「それはちょっとわかりません」がNGなのはなぜ?
だれしも、わからないことやできないことがあって当たり前です。研修講師仲間でもよく話題に上がるのですが、参加者からの質問に答えられないときに、「適当にごまかそうとする」講師ほど信用を落とします。
わからないことは率直に認め、対処方法を提案しましょう。
「わかりません」と簡潔に伝えず、「ちょっとわかりません」と返事をする人もいますが、逆効果です。「ちょっと」「あまり」といった副詞は、ビジネスの場で使うと、「ちょっとって何?」と、相手の気に障ることがあるからです。
■言いかえるならこれ!
わからないことを聞かれたとき「それはちょっとわかりません」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「私にはわかりかねますので、お調べいたします」
が正しい!
「ちょっと」は不要。わからないときは他の手段で対応を。
■さらに上手に使うには?
新人社員向けのマナー研修では、「わかりません」を「わかりかねます」に、「できません」を「いたしかねます」に言いかえる練習をよくします。相手の質問にすぐ答えられないときは、拒絶や拒否に思われないように、「謙虚でやわらかい言葉づかい」を心がける必要があるからです。
たとえば、「これはどう使えばいいんですか?」と聞かれてわからない場合は、「私にはわかりかねますので、お調べいたします」という対応が好ましいです。
あるいは、「詳しい者が代わりに対応しますので、しばらくお待ちください」でもいいでしょう。回答に時間がかかる場合は、期日や方法を明確にすることも大切です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子