良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第80回は、「それ、間違えていませんか?」。
fizkes/shutterstock
■「それ、間違えていませんか?」がNGなのはなぜ?
会話はキャッチボールと同じです。「そんな球はとれないよ」「そのやり方は違うでしょ」とばかりに、相手から飛んできた球をはじき返せば、誰でも「せっかく投げた球なのに!」と腹が立ちます。
相手が話したことを、「それ、間違っていませんか?」と全否定するのも、まさに同じパターンです。たとえ、相手の言っていることが間違っていると思っても、飛んできた球(言葉)はいったんキャッチするのが、会話上手な人のルールです。
対立するのではなく、依頼の形で認識のずれを確認しましょう。
■言いかえるならこれ!
相手と認識がずれていたとき「それ、間違えていませんか?」と言うのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「認識にずれがあったようなので、すりあわせをお願いします」
が正しい!
相手の意見を頭ごなしに否定しても何のメリットもない。
■さらに上手に使うには?
どんな人にも承認欲求があります。話を聞いてあげるだけで満足する人は多いのです。
話を聞いてもらって満足した人は、たとえ違う意見を言われても聞く耳を持とうとします。ですから、相手の言葉をキャッチした後、「認識にずれがあったようなので、すりあわせをお願いします」と自分の球を投げるといいと思います。
どんなに意見が食い違ったとしても、「I'm OK, you are OK」(私も正しいし、あなたも正しい)のスタンスで、相手の意見を尊重しながら自分の考えを伝える。すると会話を上手に楽しめるようになるのです。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子