良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第76回は、「言ってくれればよかったのに」。
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■「言ってくれればよかったのに」がよけいなひと言なのはなぜ?
ネガティブなことがあった人から、「実はこういうことがあって大変だったんだ」と打ち明けられたとき、「言ってくれればよかったのに」と返したことはないでしょうか?
「何か力になれたかもしれないのに」「言ってくれれば何とかできたのに」と、よかれと思って言ったことでも、相手は知らせなかったことを責められているようで、さらにダメージを受けてしまいます。
こういう場合、連絡をしてこなかった相手を責めるのはおかしな話。ちょっときつい言い方をすると、困りごとを相談されなかったのは、自分がその程度の遠い存在だからなのです。
■言いかえるならこれ!
トラブルがあった知人に「言ってくれればよかったのに」と声をかけるのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「お役に立てることがあったら連絡してください」
が正しい!
相談するかしないかは相手の自由。自分の気持ちを伝えればいい。
■さらに上手に使うには?
もしその人の役に立ちたかったのなら、「私なこういうことができるから、力になりたかった」と自分の気持ちを伝えるだけにしましょう。
また「お役に立てることがあったら連絡してください」「困ったときは連絡して」と、未来のことについて言うのは問題ありません。
たとえ仲良しでも、相手には相手の事情があります。何でもかんでも、お互いのことを知る必要はありません。友達づきあいは、ほどほどの距離感を保って、相手を思いやる表現を。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子