良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第75回は、「ご結婚されているんですか?」。
Jacob Lund/shutterstock
■「ご結婚されているんですか?」がよけいなひと言なのはなぜ?
相手が未婚なのか既婚なのか、子どもがいるのかいないのかによって、話す話題が変わることがあります。自分と相手の共通項を知るうえでも、お互いの家族構成を伝え合うことは、決して悪いことではありません。
けれども、この質問はとても聞き方が難しいのも事実。一歩間違えると失礼になりかねないので、慎重に言葉を選びましょう。「ご結婚されているんですか?」とストレートに聞かないようにしたいですね。
■言いかえるならこれ!
初対面の相手に「ご結婚されているんですか?」と聞くのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「おひとりですか? それともどなたかとご一緒ですか?」
家族のかたちはさまざま。「答えにくい聞き方」をしない配慮を。
■さらに上手に使うには?
私はよく、「差し支えなければ、〇〇さんのことをもっと知りたいのですか」と前置きしたうえで、「おひとりですか? それともどなたかとご一緒ですか?」と聞くようにしています。同時にふたつ聞いて、相手に特定の印象を抱いているわけではないことを示すのです。
独身か既婚かどちらかひとつだけ聞くと、「独身に見えるのかな?」「既婚者に見られているわけ?」と相手に余計な気を遣わせてしまいます。なかには、その質問に対して過剰に反応して腹を立てる方もいらっしゃいます。
結婚していなくてもパートナーと同棲している人、結婚していて子どもがいない人。子どもがいてパートナがいない人。事実婚の人や、同性同士で暮らしている人など、家族のかたちはさまざま。もし相手が答えにくそうにしていたら、無理に聞かないようにしましょう。
お互いのことを深く知らない段階では、まずは相手に「信頼感」と「安心感」を持ってもらうことが大切です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子