良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第85回は、「ついでにこれもお願いします」。
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■「ついでにこれもお願いします」がNGなのはなぜ?
世代間のギャップを感じる場面が多くなった今の時代。「仕事よりプライベート優先」という人も増え、自分の決まった仕事以外は断り、残業をしない人ももいます。出社したときの挨拶を求めても、「就業規則には書いてありませんので」と断る人もいると聞きます。
しかし上の世代には、残業が苦にならずにむしろ会社に人生を捧げてきた人も少なくありません。そのため、自分たちが当たり前だと思ってやってきたことを、下の世代に求めてトラブルになるケースが後を絶たないのです。
「ついでにお願い」もそのひとつ。これは「できることは何でもやってほしい」と思う人と、「どこまでが自分の仕事なのかはっきりさせたい」人の意見が分かれやすい言葉です。
■言いかえるならこれ!
「ついでにこれもお願いします」と追加のお願いをするのはNG!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「この件も追加でお願いできますか?」
が正しい!
「ついでだから」という失礼な甘えは通用しない。
■さらに上手に使うには?
業務委託やフリーランスで案件ごとに仕事を引き受けている人に、「ついでだから」という甘えは通用しません。ブラック企業と思われる可能性もあります。
たとえ社員でも「ついで」にやらされることは、たいした案件ではないことが多いので、自分が見下されていると感じます。そう思われないためには、「この件も追加でお願いできますか?」と元の話とわけて、お願いすること。
また、あくまでの追加ですから、断られても仕方がないと割り切ったうえで謙虚に相談する姿勢が大事です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子