「それでいいです」という返事はよけいなひと言！ 代わりに何て言う？【働く大人の言いかえ術 vol.88】

良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから！ ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第88回は、「それでいいです」。

「それでいいです」と「いいですね」は、一見、同じように思うかもしれません。ところが、言われてみるとまったく感じたかが異なるのです。

「それでいい」には、「まあその程度でもいいと思うけど」という投げやりでニュアンスがあります。もっといじわるな意味で、「あなたがやるならそんなものだよね？」というマイナス言葉として受け取る人もいます。

一方、「いいですね」は純粋にそのことを「よい」と思っているストレートな言葉なので、誤解や反感を招くことはありません。

中には、「いいんじゃないでしょうか？」と疑問形で返す人もいますが、受け取るほうは悪い意味にとらえがちです。この場合、「悪くはないけれどいいとも断定できないので、判断はあなたに任せます」、あるいは「そこそこの及第点でしょうね」と言われているようで、どちらかというと悪い評価として受け取ってしまいがちだからです。

「それでいいです」という返事はよけいなひと言！ 
では言いかえるなら何て言う？

↓↓↓

「とてもいいと思います」

「異存ありません」

が正しい！
投げやりな言葉はマイナスに受け取られやすい。

 本当に良いと思った気持ちを伝える場合は、「いいですね」「とてもいいと思います」と率直かつシンプルな言葉で伝えるようにしてください。

｢異存｣とは、異なる考え方や反対の意見、不服な気持ちなどの意味があります。 ｢異存｣に｢ありません｣と否定を合わせることで、相手からの提案や意見などに対して、｢反対意見や不服がない｣ということを丁寧に伝えることができます。

もしも気になる点があるなら、「いいと思います。ここを変えるともっとよくなりますね」というように、プラスの褒め言葉の後に改善点を伝えるといいでしょう。そうすると、言われたほうも素直に耳を傾けてくれるものです。

取材・文／佐久間知子