良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第92回は、「ご存じないと思いますが」。
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■「ご存じないと思いますが」がよけいなひと言なのはなぜ?
相手が知らないかもしれない話を伝えるとき、どんな言い方が適切でしょうか?
「ご存じないと思いますが、こんな話があるんですよ」「知らないかもしれませんが、あの件はこういうことなんですよ」と、よけいなひと言をつけて話し始めたことがある人もいるかもしれません。「まだ知られていない話を教えてあげる」という特別感を伝えたい、というニュアンスで使うこともあるかもしれません。
しかしこれは、「これから話すことはあなたは知らないこと。でも私は情報通だから知っている」という態度が感じられる、相手を上から目線で見下している失礼な言葉なのです。
■言いかえるならこれ!
「ご存じないと思いますが」と話し始めるのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「ご存じかもしれませんが」
が正しい!
相手が知らないと決めつけた失礼な表現は避けましょう。
■さらに上手に使うには?
仮に相手が100パーセント知らない話でも、「知らないですよね?」と強調するのではなく、「ご存じかもしれませんが」と相手を立てて言うほうが角が立ちません。
また、その話を聞いた相手が「そんな話、知りませんでした!」と驚いた場合に、「ご存じなかったんですか?」と見下した言い方をするのもタブー。
自分が少しでも優位に立てる立場にあると、ちょっとした言葉の端々に相手を見下す気持ちが表れやすいもの。そのため、自分が優位なときほど、謙虚な姿勢で会話をするように心がけることが大切。「上から目線の」よけいなひと言は禁物です。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子