良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第93回は、「それは違うのでは?」。
Bojan Milinkov/shutterstock
■「それは違うのでは?」がよけいなひと言なのはなぜ?
「良いか/悪いか」「正しいか/間違っているか」「上手いか/下手か」。こういったことを断定する対応を“評価的態度”と呼びます。
こうした二者択一で人を評価するのは、「自分のほうが上の立場」だと思っている証拠。自分は相手より頭が良い、仕事ができる、自分は正しい、といった自信やおごりがあるために、相手を評価することで自己満足している人は少なくありません。
相手がしたことを、「それはよくないよ」「そんなことやめたほうがいいよ」とジャッジするのも、根拠なく主観で「大丈夫だよ」というのも同じことです。上司が若い部下から「大丈夫ですよ」と言われてムカッときたという話を聞いたことがあります。
一方的な判断の決めつけは、相手を不快にさせます。こうした発言が多いと感じている人は、まず自分の気持ちのままにジャッジするのを控えてみましょう。
■言いかえるならこれ!
反論があるとき「それは違うのでは?」というのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「どういう思いでそうしたのですか?」
が正しい!
「それは違う」といった決めつけは上から目線の最たるもの。
■さらに上手に使うには?
反論したいときは、断定せずに、「そうしたいのはどういう思いからですか?」とまずは相手の意図を確かめてください。
異論があれば「私はこう思う」と意見を述べること。簡潔に内容を伝えるにとどめましょう。マイナス感情は言葉に出やすいので、冷静な対応を心がけて。そして、反論されても評価せずに、お互いが分かり合えるように関わること。
感情的にならず、対等な立場でのやりとりを目指しましょう。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著
大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子