良好な人間関係は、日々のひと言の積み重ねから! ビジネスシーンでの「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変える言いかえ術をご紹介。第100回は、「その方法はやったことがないので」。

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■「その方法はやったことがないので」がよけいなひと言なのはなぜ?
メール、SNS、チャットなどのコミュニケーションツールが多様化するなか、そのようなツールを「使いこなせる人」と「そうでない人」の差が広がりつつあります。
たとえば、あるグループがラインやチームズでグループをつくる場合、アプリを使っていないメンバーから「それはやっていないので」「使ったことがないのでできません」などと言われたらどうでしょう?
一方的な断わり文句は、自分たちのことも否定されているようで、いい気持ちはしませんよね。特に仕事では、やる気がないととらえられてしまうことも。
もちろん、何をどう使うかは個人の自由。アプリを使わないことが悪いわけではありませんし、そのことを批判したり否定したりすることもできません。ただ、「できません」「やりません」と一方的に言うだけでは、関係性がこじれてしまいます。
■言いかえるならこれ!
特定のやり方を指示されたとき「その方法でやったことがないので」と言うのはよけいなひと言!
では言いかえるなら何て言う?
↓↓↓
「別のやり方でもいいでしょうか?」
「使い方がわからないので教えてください」
が正しい!
「できない」「やらない」と一方的に断らずに、折り合いをつけましょう。
■さらに上手に使うには?
こういう場合は、「別のやり方でもいいでしょうか?」「使い方がわからないので教えてください」と代案を出したりアドバイスを求めてみたりすることです。お互いが歩み寄り、折り合いをつける方向で話し合えば、着地点が見えてくることが多いのです。
わからないことやできなことを教えてもらって、誰かに負担をかけてしまう場合は、必ず「お詫び」をした上で、「感謝の言葉」を伝えることも忘れずに。新しいことに挑戦する前向きな姿勢が、好印象につながっていくと思います。
■引用したのはこちら
好かれる人の言葉選びを身につける 大人の伝え方練習帳
宝島社 大野萌子著

大野萌子
公認心理師、産業カウンセラー。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ®資格認定機関)代表理事。2級キャリアコンサルティング技能士。法政大学卒。
企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。官公庁をはじめ、大手企業、大学等で5万人以上に講演・研修を行う。テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演、監修多数。
取材・文/佐久間知子