30代、上司や先輩の立場となった現在、後輩・部下に対する厳しい育て方は通用しない。かといって寄り添いすぎればナメられることもあり…一体どうすればいいの!? 有識者3名に取材したところ、親しみやすく尊敬される上司になるためのルールを発見。言うべきことはハッキリと、メリハリをつけて接するのがポイント。
![坊垣佳奈さん](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/f2/f232e877-4a19-45e3-8be2-767173622725-171x171.jpg)
株式会社マクアケ 共同創業者/取締役
坊垣佳奈さん
同志社大学卒業後、2006年にサイバーエージェントに入社。子会社3社の創業や経営参画を経て、2013年マクアケの立ち上げに共同創業者/取締役として参画。
「素を出して対話を深めて部下をしっかり肯定し、信頼関係を築けていれば注意しても関係は良好!」
![山浦一保さん](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/7f/7fe40c62-79c9-4919-bb66-e4c4680ccea8-164x164.jpg)
立命館大学・大学院教授
山浦一保さん
スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授。研究分野は産業・組織心理学、社会心理学。『武器としての組織心理学』(ダイヤモンド社)など、組織の人間関係に関する著書多数。
「雰囲気がよくなるなら、ナメられたって全然いい! 業務がやりやすいことが最優先だと考えています」
![中村果代さん](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/3b/3b35e29c-989f-4ce7-9f01-aaa03c0858b8-175x176.jpg)
リクルートエージェント 首都圏カスタマーサービス部 部長
中村果代さん
転職エージェント、カスタマーサービス部門の部長として約75人もの部下をマネジメントしている。「話しやすく、尊敬できる」(部下の方談)と信頼されているそう。
「部下と上司という立場の差も多様性のひとつ。ともに課題を解決するパートナーとして伴走するイメージで」
言いづらいことでも、言うべきことはハッキリと伝える
「言いにくいことは期待と信頼を込めながら伝える」坊垣さん
「どんなに言いにくいことも、“言うべきことは言う”と決めています。黙っているのは、本人のためになりません。はっきりと、でも期待と信頼を込めながら、言葉を選んで伝えています」
「ゆるい雰囲気のままわかりやすくサラッと伝えるのがコツ」山浦さん
「たとえナメられてしまうとしても、雰囲気よく仕事をし、楽しい関係だからこそ注意しやすい……というのが私の理想です。注意はねちっこく言うと怒りを買うので、サラリと。“同じことを後輩にされたらどう思う?”と想像させるのも◎」
「なあなあの状態は“ナメられ”を生むので言うときは言う!」中村さん
「部下本人も注意されるべきだとわかっているのに何も言われないと『適当で大丈夫そう!』と上司をナメてしまうかも。なあなあ感はナメられのもと。ダメなものはダメとはっきり示す!」
仕事モードと仲よしモードのメリハリをつけるべし
「自分の仕事スイッチのオン・オフで友達すぎ回避」坊垣さん
「“近寄りやすさ”重視の私ですが、会議でまじめな話をするときなどには、仕事モードのスイッチが入り、少しピリッとします。“友達すぎる上司”にならないのはこのメリハリのおかげもあるのかも」
「『ステップアップ宣言』で適度な距離感を取り直す」山浦さん
「いつまでたっても仲よしモードのみの研究メンバーには『そろそろステップアップしようか』と声をかけて、仕事モードとのメリハリが必要だと教えています。この宣言は区切りとしてかなり有用ですよ」
イラスト/大窪史乃 取材・原文/東 美希 ※BAILA2023年12月号掲載